イチ、“強肩”発動に本拠地どよめく
「マーリンズ5-2パドレス」(2日、マイアミ)
マーリンズのイチロー外野手(41)は「1番・右翼」で出場し、4打数1安打1得点。一回に3戦12打席ぶりとなるヒットを放ち、打率を・241とした。チームは同点の九回にエチャバリアの5号3ランでサヨナラ勝ち。連敗を4で止めた。
本拠地がどよめいた。2点リードの五回1死三塁の守備。流れが敵軍に傾きかけた状況でイチローが“強肩”を発動した。ベナブルが放った浅い飛球をグラブに収めると、素早い動作からホームへダイレクト返球。「あそこは大事なところだから、あれで点が入るのと、入らないのとでは(今後の)展開が違うのはだれが見ても分かる」。三塁走者を釘付けにする気迫のプレー。どよめきの後には右翼席からイチローコールが沸き起こった。
フィールドの空気を変え、力投する若きエース、フェルナンデスを援護した本塁送球。しかし、がむしゃらに投げたわけではない。「(走者は)三塁だけだからね、走っても走らなくても。(もう1人)ランナーが一塁にいれば別だけど」。さらに「(ボールが指に)かかってくれればいくし、そうじゃなければ安全にいくし。それだけの判断ですね」と、試合展開と自身の状態を考慮して選択したプレーだったことを説明した。
打っては攻撃の口火を切った。休養を与えられたゴードンに代わって6試合ぶりに1番で起用され、第1打席で中越え二塁打。通算122勝右腕、シールズが2ボール1ストライクから投じた148キロ直球は、外角低めの際どいコースだったが、バットをしっかり止めた。打者有利のカウントに持ち込んだ後、148キロの外角球に快音。後続の適時二塁打で先制のホームを踏んだ。
試合前には懐かしい顔にも会った。ヤンキース時代の同僚で、13、14年は楽天でプレーしたアンドリュー・ジョーンズがリトルリーグのチームでプレーする子供に付き添って同球場を訪問。室内ケージでマギーらと旧交を温めた。