イチロー、壁際美技で観客魅了

 ナショナルズ戦の2回、ラモスのファウルゾーンの飛球を好捕するマーリンズのイチロー=マイアミ(共同)
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 「マーリンズ0-5ナショナルズ」(13日、マイアミ)

 マーリンズのイチロー外野手(41)は「1番・右翼」で出場し、4打数1安打。打率を・246とした。メジャー通算安打数は2931本となり、歴代単独35位に浮上した。チームは今季12度目の零封負けで5連勝ならず。この日の敗戦でプレーオフ進出の可能性がなくなった。

 イチローが魅せた。二回の守備だ。右翼線際のファウルエリアに上がった飛球に快足を飛ばす。落下地点を予測し、最後はジャンプしながら打球をグラブに収めた。体への衝撃を和らげるために背中からフェンスにぶつかったのは反射的だったという。本拠地が大きく沸いた美技。熱狂的ファンが陣取る三塁側席からはイチローコールが起こった。

 鈍い衝突音。イチローがこの日と同じようなファウルフライを追ったのは2日前だ。六回の守備。差し出したグラブがわずかに届かなった惜しいプレー。捕球を優先したため、ブレーキをかけることができず、体の左側を激しくフェンスに打ちつけた。

 「ぶつけたからって痛いわけでもないからね」

 その時のプレーを振り返り、イチローが平然と言う。激突の後、左肩を気にする仕草を見せていたが、「痛くないから」と繰り返した。

 負傷する可能性のあったプレー。体を痛めないための工夫を問われると「それは日々のことだからね。どうやって体をつくるかっていうことは、そういうこと(けがをしないようにすること)も含まれている」と言った。ここ数日はふくらはぎのストレッチを入念に行っているのもその一環だ。

 「体って思ってるより強いからねえ、って思ってる」。けが人が続出したシーズン。チーム内でだれよりも多く試合に出場しているイチローだからこそ言える言葉だ。

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