前田8年後復帰は…【一問一答・下】

ドジャース移籍決定後、初めて広島で会見する広島・前田健太=マツダスタジアム(撮影・吉澤敬太)
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 広島からポスティングシステムを利用して、米大リーグ・ドジャース入りが決まった前田健太投手(27)が11日、広島市内のマツダスタジアムで記者会見を開いた。メジャー挑戦が正式に決まってから3日、9年間在籍した古巣ファンに感謝の言葉を届けた。将来、広島に復帰する可能性もたずねられたが、ドジャースと8年契約を結んでいることから「終わったころは35歳。結構、衰えている(笑)」と慎重。現時点では米国での成功のみを考えているとした。以下会見の一問一答。

 -決まるまでの心境は。

 「正直、人生で一番、不安になりました。ここまで野球で不安になったことはなかった。一番、不安な時期を過ごした。回りのいろんな人にサポートしてもらったし、家族にも後押ししてもらってサポートしてもらった。エージェントの方にも支えられながらサポートしてもらった。しっかりと自分の目標はかなえたいと、強い意志があった。どんなことがあっても、折れないと自分の中では思っていた。絶対に諦めない気持ちを持って過ごしていました。もしかしたらダメなんじゃないかと、そういうことも多少はあったのは確か。すごく決まるまでは怖い時間を過ごしました」

 -活躍してまた、戻ってきて欲しいという声は多い。

 「8年契約という長い契約をさせてもらった。終わったころは35歳。結構、衰えていると思う(笑)。今は、帰って来るという状況よりも、向こうで結果を残すことだけを考えていこうと思う。ただ、僕はカープに入団してカープに育ててもらった。すごく恩はある。今回もポスティングを認めててもらったという感謝の気持ちがある。もちろんカープには愛着はある。難しいですけど、今はとにかく向こうで結果を出して、カープファンの人、日本のファンの人に喜んでもらうことを最優先に考えてやっていきたい」

 -カープファンの思い出は。

 「僕がマエケンと呼ばれ始めたのはカープに来てから。誰が言い始めたかはわからないですけど、ファンの人からそういう名前で呼んでもらえるようになりましたし、すごくファンの人からたくさんの声をかけてもらいました。街で会えば、いつも声をかけてくれた。マウンドに立つときはいつも暖かい声援をくれたり、応援してくれている声は届いていた。カープファンのたくさんの声援が僕を成長させてくれた。カープファンの期待に応えたいと思いながら、練習に励み、結果を残すためにマウンドに上がっていた。そういう意味ではファンの期待が僕を成長させてくれた。ファンの人の期待が一番、大きかった」

 -アメリカでの会見は英語で行った。日本語で会見したいと言っていたが。

 「ちょっと英語でしゃべってみようかなと(笑)。あれも前日ですかね。せっかくなので一言、英語で。へたくそな英語でしたけど、きちんとあいさつしようと思って、勉強しました」

 -メジャー移籍を目指すようになったのは。

 「国際大会を経験したし、いろんなことを経験していく中で、自分の未熟さというか力のなさを痛感した。メジャーリーグでやってみたいという思いも芽生えてきましたし、自分が投げたらどうなるんだろうと思い始めたのがきっかけ。日本で投げていくうちに、日本人選手もメジャーリーグで数多く投げている姿を見ていて、自分も投げてみたいという思いと、自分が向こうに行ったときにどういう結果になるんだろうと、興味が出てきた。それが最初。それ口にしてから行けるんじゃないかという可能性が出てきて。行ってみたいという気持ちから、必ず行くという気持ちに変わった」

 -今日は赤いネクタイをしているが。

 「カープの赤です。向こうではブルーのネクタイを着けさせてもらいました。今日はこの広島という場所で、このマツダスタジアムで会見をさせてもらうということで、赤のネクタイで来るというのは決めていた。最後にこの場所で会見をするのは僕にとってはすごく大事なこと。赤色はすごく大事な色だと思っているので、選びました」

 -赤から青に変わる。

 「いろんな声をもらいます。似合ってないとか、似合っているとか。まだ見慣れないと思うんですけど、しっかりと似合うように頑張りたい。赤のイメージが強いと思う。これからしっかりと似合っていけるように投げていきたい。でも背番号の部分は赤なので、赤と青、両方を大事にしてこれからの野球人生を頑張っていきたいと思います」

 -メジャー挑戦にあたって、最も刺激を受けた選手は。

 「一人っていうのはない。いろんな投手がいる。今ならダルビッシュ選手や岩隈さん、同級生の田中将大。日本で投げ合っていた投手がメジャー挑戦していく中で、だんだん、自分も行きたいとなってきた。今まで対戦した投手がメジャーリーグで投げているのを見て、すごく不思議な感じがした。今まで日本で対戦していたなという気持ちで見ていた。そうやってメジャーを見ていく中で、自分もあそこで投げてみたいと思うようになった。いろんな投手に刺激を受けきた」

 -今回の契約に関しては。

 「しっかりと投げれば、いいと思うので。僕自身、自身を持って行くので。しっかりと投げて結果を出したいと思う。契約内容は大事ですけど、メジャーで投げたいという思いが強かったのが一番。強い気持ちが変わることはなかった。投げたい気持ちが純粋に強かった。行くことを決めました」

 -不安になったのはなぜ。交渉が思うようにいかなかったか。

 「もしかしたら、こればかりはわからない。どこのチームも取ってくれない不安はあった。周りの方の電話が鳴る度に不安な気持ちになった。こんなに不安になるのかというほど、時間があった。正直、宣言するまではすごく楽しみな気持ちがあった。自分に対して期待しかなかった。いざ宣言してみれば、楽しみな気持ちはなくなって不安しかなかった。今までの選手はこんな気持ちだったのかなと。いろいろ、報道にもあったと思うんですけど結構、うまくいかないことがたくさんあったりしたので、このまま決まらなかったらどうしようかなと。初めてネガティブになりました。日本のファンの人はどう思っているのだろうか、カープの選手はこれをみてどう思っているのか考えた。すごく不安な日々は続きました」

 -オーナーに数年前、メジャー挑戦したいと手紙を送った。それ以降、どういう思いでマウンドに上がっていたか。

 「メジャー挑戦の意志は3、4年前から口にしてきた。モチベーションは、もちろん、カープの優勝のために頑張ってきましたし、シーズンに入ってからは自分のメジャーへの気持ちというよりは、カープの優勝のために頑張ることが一番だった。このチームで優勝したいというのは最初にあった。そのために頑張ってきた結果、良い成績を残せてメジャーリーグに挑戦することにつながったと思う。モチベーションはカープの勝利のために投げるのが一番のモチベーションになりました」

 -改めて、大リーグはどんなところ。

 「わからないですね。だからこそ、あの場所で投げたいと思うし、行って経験して自分がどう感じるか、マウンドに立ったときに分かると思う。答えはわからない。わかったら、また話したいと思う」

 -優勝できなかったことが心残りと。カープにいる選手へ向けては。

 「本当にいいチームメートに恵まれて、いい先輩、いい同級生、いい後輩がたくさんいた。今はいい投手がたくさんいると思う。すごく優勝から遠ざかっているので、とにかくカープを優勝に導いてほしいなと思う。僕が決まったときは、みんなメールをくれましたし、いろいろチームメートにも相談しましたし。さみしいと言ってくれる中で、メジャーで投げている姿を見たいと言ってくれる後輩もいました。僕自身も後押しさた部分がある。みんなで優勝の瞬間を分かち合えなかったのは僕の中で、すごく悔しいし、さみしい思い。その気持ちを引き付いてほしい。オフの時期には練習する選手も出てくると思う。これからお互い頑張っていけたらいい。本当にいいチームメートだったりスタッフだったり、トレーナーだったり球団関係者の人に恵まれたと思っている。みなさんの後押しがあったから今の自分がある。いろんな人に助けられた、幸せ者だと、離れることが決まってからあらためて思う」

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