イチロー、プロ25年目の開幕へ調整
マーリンズのイチロー外野手(42)があす5日(日本時間6日)のタイガース戦でプロ25年目、メジャー16年目の開幕を迎える。開幕前日の4日(同5日)は本拠地で1時間15分の練習で調整した。
フリー打撃の最後の一振り。快音とともに弾かれた打球は軽々と右翼フェンスを越え、2階席に達した。ケージ裏から観察していたバリー・ボンズ打撃コーチが歓声を上げる。周囲の反応にイチローの表情が緩んだ。
メジャー16年目。今季の役割は昨季と同じ控え外野手だ。就任1年目のバンディ外野守備コーチがイチローを語る。
「いつでも準備ができている。チームには若く才能豊かな3人の外野手がいるが、そこにイチローが入っても質は変わらない。しかも代打やダブルスイッチなど、どんな役割もできる。これほど大きな『保険』はない」
他の選手の打撃練習時に行う“守備練習”では、右翼と中堅で打球を追った。右翼ファウルエリアを転々とする打球を処理した際には右翼線側のラバーフェンスを蹴って材質の確認をすることも忘れなかった。やれることはすべてやった。
今季使用する登場曲はスヌープ・ドッグの「2001」に決めた。大好きなアーチストの一人だ。2001年はメジャー1年目。打率・350、56盗塁で2冠を獲得し、新人王、リーグMVP、ゴールドグラブなど、各賞を総ナメにしたシーズンでもある。
15年間で積み上げた安打数は2935本、盗塁数は498個。新たな偉業に注目が集まる。マッティングリー新監督からはチームリーダーの1人に指名された。言葉よりも行動で示すタイプ。若い仲間たちと球団13年ぶりのプレーオフを目指す。