マーリンズ、走者追い越し本塁打が単打

 「マーリンズ4-1ブルワーズ」(9日、マイアミ)

 マーリンズのJT・リアルミュート捕手がブルワーズ戦の二回1死一塁の場面で放った本塁打が走者追い抜きでアウトとなり、『適時打』に変更される珍事があった。

 マーリンズ・パークが騒然となったのは両軍無得点の二回だ。1死一塁の打席でリアルミュートが放った打球は鮮やかな放物線を描いてセンター左にある巨大オブジェに飛び込む先制2ラン…。

 と思いきや、リアルミュートが一塁を回ったところで帰塁していたオズーナを追い越してしまう。2人はすぐにポジションを入れ替えて生還したが、ブルワーズのベンチや目の前で2人の動きを見ていたカーター一塁手が一塁塁審に猛抗議。ビデオ裁定の結果、走者を追い越したと判定されて『本塁打』は『単打』に変更。一塁走者の得点は認められ、1打点が記録された。

 試合後のマーリンズのクラブハウス。一塁走者だったオズーナは「打球がアンツーカー近くまで飛んだが、もし中堅手が捕球したらタッチアップしようと考えていた」と帰塁した理由を説明。打者走者に追い抜かれたことには「自分のミス。1点を無駄にしてしまった。あの後、彼には謝った。二度とこんなことはしない、と」。さらに、4-0の九回から登板し、3四球の乱調で途中降板した自軍の抑え、ラモスに対しても「5-0だったらほかの投手が投げていたのに悪いことをした」と言って、うなだれた。

 「JT(リアルミュートの愛称)を止めるべきだった」。そう反省したのはヒル一塁コーチだ。「ランナーがタッチアップのために帰塁したところで彼を止めなければいけなかった。これまで数え切れないほど『前の走者を追い抜くなよ』と言ってきたのにきょうは言わなかった。JTを止めるのが私の仕事。それがすべてです」と自分を責めた。

 今季3本目の本塁打が幻となったリアルミュートは「自分は打球しか見ていなかった。なにが起こったのかよくわからなかった」と苦笑い。ペリーコーチが一塁走者にハーフウエーで待つように指示していたと明かす一方で、オズーナがタッチアップを試みようとしていたことには「ハッスルプレー。悪い考えではない」と理解を示し、「不運だった」と2人をかばった。

 試合は、マーリンズが終盤に追加点を奪い、3人の継投で逃げ切って勝利。連敗を「2」で止めた。

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