マエケン「折れてなければ大丈夫」

 「メッツ1-9ドジャース」(28日、ニューヨーク)

 ドジャースの前田健太投手(28)がメッツ戦に先発し、5回2安打無失点で4勝目(3敗)を挙げた。初回に右手に打球を受けたが、続投を申し出て、以降は1本もヒットを許さない快投を披露。75球、3奪三振2四球で防御率は3・00。4月23日以来、約1カ月ぶりの勝利を手にした。

 顔をしかめてマウンド上でうずくまった。初回2死。3番コンフォートが放ったラインドライブが前田の右手を直撃した。大リーグ機構が採用する解析データによると、打球の速度は146キロ。ベンチからロバーツ監督やトレーナーらが慌てて飛び出す。敵地が一瞬にして凍りついた。

 長いシーズン。今後のことを考えて降板する選択肢もあったが、「そういうアクシデントで降りるのは、あんまり好きではない」と前田。4球投げて状態を確認。「骨は折れてないだろうな、というのは自分の中であった。折れてなければ大丈夫」。心配する指揮官にうなずいてみせ続投を志願した。

 投げるからには打たれるわけにはいかない。そこから13打者連続(2四球除く)ノーヒット。二塁さえ踏ませなかったピッチングに、試合後は「当たった方がいいのかな」とジョークを飛ばしながら「こういうときって意外と集中力が増したり、丁寧さが増したりする。逆にアドレナリンが出る。気持ちがもう一段入ったと思います」。五回を終えたところで交代を命じられたことにも「(六回も)行く準備はしていた」と言った。

 とはいえ、「(手に)力を入れると痛みはありましたし、バットを振ることはできなかった。打席はちょっと厳しかったですね」と本人が明かすように、この日の2打席はそれぞれバント(結果は捕ゴロ)と3球連続見逃し三振。決して万全な状態ではないにもかかわらず、マウンドに立ち続けた。

 三回にはメッツ先発のシンダーガードが打者の背後に投じたボールを危険球と見なされ、一発退場。警告なしの退場処分に激怒したコリンズ監督も暴言を吐いて退場となるなど、大荒れの試合となった。

 異様な空気が流れる中で淡々とアウトを重ね、4月23日のロッキーズ戦以来、自身6試合ぶりに勝利を手にした。直近の3試合はいずれも4失点で5回を投げ切るのがやっとの状態だっただけに「勝たなくても、いいピッチングができていれば気持ちは切り替えやすいんですけど、結果も内容もともなってなかったので、少し苦しい思いはしました」と心境を吐露。さらに「日本だとこういう結果になることは少なかったので、そういう意味では久しぶりにピッチングについて考えることができた時間だった」と振り返った。

 レントゲン検査の結果は「異常なし」。5月最後の登板で自身の連敗を「3」で止めた前田は「いいきっかけになればいいなと思います。気持ちよく次の登板を迎えたい」とにこやかに話した。

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