イチロー ローズの嫌悪感にコメント

9回、右翼線に二塁打を放つイチロー。メジャー記録を日米通算で抜く4257安打とした(共同)
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 「パドレス6-3マーリンズ」(15日、サンディエゴ)

 マーリンズのイチロー外野手(42)がパドレス戦で2安打を放って日米通算安打数を4257本とし、ピート・ローズのもつメジャー通算最多安打記録4256本を超えた。この日は「1番・右翼」で出場し、5打数2安打1得点。今季13度目のマルチ安打で打率は・349。メジャー通算2979安打で大台まで21本とした。

 ローズの記録に王手をかけて臨んだ試合。イチローは一回の捕手内野安打で並ぶと、九回2死一塁の場面で右翼線二塁打。二塁ベース上で敵地ファンの祝福にヘルメットを掲げてこたえたが、試合後の会見では開口一番、「ここにゴールを設定したことがないので、実は大きなことという感じはまったくしてない」と淡々。観客や同僚、ファンらの反応がなかったら「なんにも大したことないです」とまで言った。

 日米合算についてイチローは「どうしたってケチがつくってことはわかってた」と言ったが、同じ日米合算でもイチローがマリナーズ時代の09年4月に張本氏のもつ日本プロ野球通算安打記録を超えたときに見せた表情や口にした言葉とはあまりにも対照的だった。

 その理由をイチローはこう明かす。

 「ピート・ローズが喜んでくれてたら、(僕の気持ちは)全然違うんですよ。それは全然違います。でも、そうじゃないって聞いてるので、だから僕も興味がない」。続けて「ハリーは来てくれたじゃないですか、シアトル(マリナーズの本拠地)に。ハリーってハリー(のこと)なんですけど、なんか、可愛げがありますよね」と、張本氏をあえて「ハリー」と呼ぶイチロー流の愛情表現で2人の違いを明確にした。

 14日付の全米紙「USAトゥデー」は、ローズがイチローの実績を認めながらも日米合算に嫌悪感を示すコメントを紹介。当然のことながら、この日も球場には姿はなかった。イチローはネガティブな発言を繰り返すローズに「そういう人がいた方が面白い。演じてる可能性はある」としながらも、張本氏のように心意気が伝わってこないことで「冷めてました」となったようだ。

 ローズが引退したのは86年。今回は30年ぶりに記録を抜いたイチローは「日米合わせた記録とはいえ、生きている間に見られてちょっとうらやましいですね、ピート・ローズのことは」と意外な心境を吐露。「いつかアメリカ(メジャー)でピート・ローズの記録を抜く選手が出てきてほしい。それは、ジーター(ヤンキース時代の同僚)みたいな人格者であることが理想ですし、もっと言えば、(年間試合数がメジャーよりも少ない)日本だけでピート・ローズの記録を抜くことが一番難しい記録だと思うので、これをだれかにやってほしい。とてつもなく難しいことですけど、それを見てみたい」と、新たな安打製造機の出現を待望した。

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