天龍の引退に藤波「寂しいね」

 プロレスラーの藤波辰爾(61)が9日、デイリースポーツの取材に応じ、同年代に活躍した天龍源一郎の引退表明を残念がった。2人は80年代に長州力、故ジャンボ鶴田さんとともに並び称されたライバルだった。

 「1週間前くらいにテレビで共演したときは何もそんな話はなかった。今思えば、心なしか吹っ切れたような感じはあった。レスラー同士というのは、どこかで(互いに)入れない部分がある。同世代だから余計に火花が散る部分があるんだけど、そういうのがなかった。寂しいね」と話した。

 天龍は脊柱管狭窄症の手術を経て、12年12月に1年1カ月ぶりの果たして以降、定期的に試合はこなしていたが、コンディションは良好とはいえなかった。やはり腰に爆弾を抱える藤波は「(天龍は)1週間前もつらそうな感じだった。あれだけプライドの高い選手。満足にリングで戦えないのは感じていたと思う。どこかで引き際というのはあるから」と体調を思いやった。

 リングの上では手ごわい相手だった。「何度かシングルでやらせてもらってるけど、レスラーの中でも特殊な感じ。土台が相撲でできてたから、下半身が強く重量感のある選手だった。意識し始めたのは彼が全日本で鶴田選手とやったころから。SWSに行って、だんだん意識が強くなっていった」と明かした。

 「印象に残る一戦は?」という質問には、「(93年9月26日の)大阪城ホールでの初シングル戦は印象に残ってる。(96年4月29日の)東京ドームではドラゴンロケットをパンチでかわされて、鼻から大流血した」と懐かしそうに振り返った。

 ラストマッチは11月予定のため、まだ対戦のチャンスは残されており「できたらやりたいね。僕、長州の同世代は少なくなった。僕が一番(キャリアが)古いけど、同世代としてどこかで刺激し合ってやってきたから」とリングでの“再会”を希望した。

 自身の引退については「選手生命を左右するような腰のケガの後は周りに左右されずに、どこまでリングに上がれるか自分自身の挑戦のようなところがある。それに息子(LEONA)がいいときにデビューしたんで、彼が本当に力を出せる時期になるまでは現役でいたいね」と語った。

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