美女ボクサー好川が4・29世界初挑戦
美女ボクサーで元東洋太平洋女子ライトフライ級王者・好川菜々(36)=堺東ミツキ=が9日、天国の父と愛する夫へ世界ベルト奪取を捧げることを誓った。この日、大阪府堺市内で会見し、4月29日、堺市産業振興センターでWBA女子世界ミニマム級王者・アナベル・オルティス(28)=メキシコ=を相手に世界初挑戦することを正式発表した。
昨年11月6日、「家族のど真ん中にいた人」と言う最愛の父・隆三氏(享年67)ががんのため他界した。ボクシングには大反対し「早く結婚せえ」と言いながらも会場には、駆けつけてくれた。
「『1番になれ』とは言われたことがない。いつも『どつき回したれ』という感じ。そういう父だったんです」と好川は懐かしそうに振り返った。
昨年3月の東洋王座奪取時にがんが見つかり、同10月の世界前哨戦は、入退院を繰り返す中、応援に来てくれた。最後に病床で交わしたのは「頑張りや」の言葉。「ボクシングを頑張れ、という意味にとらえた」と見せられなかったベルトを墓前に報告する。
生涯の伴侶となった個人マネジャーの野上真司氏(39)に支えられてきた。アマチュアで3階級制覇し、12年に世界選手権でベスト8を収め、12年に競技を離れた。その頃、交際を開始し野上氏の熱いボクシングへの情熱を受け止め、目標をプロに定めた。競技に復帰し二人三脚で頂点だけを目指してきた。
実は4年程前から野上氏はうつ病を発症。今でも「1時間ほどしか眠れない」と通院しながらカウンセリングを受けている。「自分たちは夫婦でいろんなことを経験してきた。うつを克服しながら、年齢を取っている2人で力を与えたり与えられたりして一つの形を作っていこうと」と、好川はすべてを受け止めてきた。野上氏も「僕たちは2人で一つ。きついことも言い合う。でも乗り越えた時の達成感はやはり、他人とは違うものがある」と言う固い絆だ。
すでに羽曳野市内で結婚生活を始めている。「夫婦でチャンピオンになる」と入籍予定の7月7日(ななの日)に世界王者として花を添える。
本来の階級より1階級下ながら「1試合だけなら可能」と陣営は判断。オルティスは多田悦子(真正)を2度も破り15勝(3KO)3敗の強敵ながら、強力な援軍がある。昨年4月からコンディショニングコーチとして食事面など助言を送ってきた和泉修氏だ。タレントながら独自の「足識食癒施術法」でサロンも経営。この日の会見にも出席し、全面協力を約束した。
「まず内臓をニュートラルにしないといけない。日本人は米を食べればいい」との教えで、食事をおかゆや根菜中心に改善。そこから好川の体調面が劇的に改善した、という。
「きれいなボクサーが華麗に倒す。女子ボクシング人気が高まって、僕のアンチエイジング法も役立つ」と体調管理を請け負った。
「相手の強さは分かっている。相手はパワーも若さもある。対策を練って穴を探します」と好川。10日からはメキシカン対策として約1カ月のスパーリング合宿のためメキシコに乗り込む。
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