ヘビー級1位石田が王者京太郎を挑発
「日本ヘビー級タイトルマッチ」(4月30日、後楽園ホール)
ボクシングの元WBA世界スーパーウェルター級暫定王者で日本ヘビー級1位・石田順裕(39)=グリーンツダ=が13日、大阪市内の同ジムで会見を開き、日本ヘビー級タイトルマッチ(4月30日、後楽園ホール)で挑む王者・藤本京太郎(28)=角海老宝石=を徹底的に挑発した。
ボクシングの枠を超えた両陣営の“舌戦”は恒例行事。挑戦者陣営はまず、京太郎の非礼を糾弾した。
「バレンタインデーのチョコのお返しが1年たってもない。あいつ送るって言うたのに、まだ送って来ていない。石田と自分は2月に入ってから思い出して一層、怒りが収まらない」と本石昌也会長は机をたたいた。
因縁は1年前にさかのぼる。石田は本来のミドル級から「現役最後にアホなことをしたい」と20キロも増量し、4階級上のヘビー級に転向。対戦要求に応えたのが京太郎だった。
昨年2月14日、角海老宝石ジムで行われた両者の会見では石田がお礼の意味を込めチョコレートをプレゼント。だが同3月14日のホワイトデーに、お返しはなく会長が問いただすと京太郎は「試合前だったので甘い物は…」と言い訳。「石田は減量と違う。増やさないかんのや」と突っ込むと「送ります」と約束したはずだった。
お返しはないまま、ノンタイトルで対戦したのが、くしくも昨年4月30日、後楽園。手数で圧倒したかに見えたが結果は判定で石田の負け。納得はいかず「負ければ引退」を撤回し、現役続行を表明した。「逃げるな!」と再戦を訴え続けた。
京太郎陣営も昨年9月に“笑撃”の声明を出した。(1)4月の対戦時よりパンチ力が約3倍増(2)石田戦はTV放送できないほどせい惨な試合になる(3)対戦するなら高額の生命保険加入を-が主な内容。「フランケンシュタインを創造した博士の気分」と、陣営は京太郎を怪物に例えた。
会見で石田はチョコに加え、フランケンシュタインの好物の酒とタバコを机に並べた。「ロサンゼルス合宿の時に調べたらフランケンは酒とタバコに目がないということが分かった」と石田。ボクサーにとっての“毒”と、抗議の意味のチョコの3点セットを14日に送り付けるつもりだ。
この日、角海老宝石のブログには「石田選手の会見は面白いから。何か飛び出す」と書かれた。石田の放ったジャブを受け、今後も両陣営が“口撃”し合うのは間違いない。
ちょうど1年後のチャンピオンカーニバルで因縁対決は実現する。場外戦も日本最強の男を決める戦いへの演出。ヘビー体重で1年を経た石田には余裕が漂う。「TKOが1番いい形かな」と技術力の差に自信をみなぎらせた。