天龍 現役引退発表後初戦で勝利に貢献
11月で現役引退することを発表した天龍源一郎(65)が21日、道頓堀プロレスのボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館)第2競技場大会で、9日の会見後、初の試合を行った。
10人タッグ戦に出場した天龍は大歓声の中、入場。腰部脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症による手術から12年12月に復帰後初めて、上半身裸でファイトした(大ハヤブサを除く)。「全部見てくれってヤツ」と思いを明かした65歳は空牙にグーパンチを見舞い、場外でイスを振り回してぶん投げるなど大暴れし、自軍の勝利に貢献した。
“引退ロード”第1弾を終えると、厳しい表情から一転、柔和な笑みを浮かべた。試合に臨む気持ちが会見前と「全然違う」と告白し、「対戦相手と交わってるとき、技とかすべてがいとおしい。会見で『プロレスに、こんなにはまると思わなかった』と言ったけど、如実に表れたね」と振り返った。前売り段階で売れ行きが「芳しくなかった」(関係者)が、“天龍効果”で満員に。それでも、天龍は「みんなが頑張ったから」と謙そんした。
引退会見後は多くの反響があった。「『本当にやめちゃうの?』という人と、『良かったね』という人が7対3。半永久的に続けるみたいな顔をしていたからかな」とすっきりした表情で明かした。出場オファーも続々と届いており、11月に予定するラストマッチまで10試合は超える見込み。初っぱなから燃えた天龍は「ちょっと火をつけていただいて丁度いい」と、うなずいた。
幾多の名勝負を繰り広げた場所で奮闘した。大阪府立は大相撲時代の64年初場所で初土俵後、翌年春場所から序ノ口の番付に載って戦ってきた。51年の格闘人生を歩んできた65歳は「(最初の場所は)5勝2敗だった」と確かな記憶力で振り返り、プロレス転向後の思い出の試合には、88年4月15日のブルーザー・ブロディ(故人)戦を挙げた。
当時、UN&PWF王者の天龍とインターナショナル王者のブロディさんとの3冠統一戦は30分ジャストで両者リングアウト。天龍は「あのブロディと30分やってフォール負けしなかった。それまで3分以上戦ったことがなかったのに、随分自信がついた」と感慨深そうにコメントした。
3月6日の天龍プロジェクト新木場大会から正式な「Revolution FINAL TOUR」がスタートする。「これからの引退ロードは楽しんで楽しんで楽しむ。オレの生きざまを見て何かを感じてくれればいい」。残り9カ月を切ったプロレスラー人生を腹いっぱい満喫する。