井岡一翔が26歳誕生日に猛烈スパー
「WBA世界フライ級タイトルマッチ」(4月22日、ボディメーカーコロシアム)
世界最速3階級制覇を狙う同級3位・井岡一翔(井岡)が26歳の誕生日を迎えた24日、猛烈スパーリングを敢行した。パブロ・カリージョ(コロンビア)と8ラウンド、同僚で元WBA世界ミニマム級王者の宮崎亮と4ラウンド。次戦へ向けた調整では最多となる12ラウンドをこなした。
カリージョは昨年9月、判定3-0で下したが、好勝負を演じた相手。4月22日に挑む王者・フアンカルロス・レベコ(アルゼンチン)対策として、日本に呼び寄せた。
スパーは試合さながらだった。序盤から一撃必殺の大振りのフックを見舞う相手を一翔は紙一重でかわす。顔面に被弾すれば、負けじと返した。
圧巻は9ラウンドから。スタミナが一切、落ちない一翔はギアを上げると、左右の連打をボディーに見舞った。鼻血を出しながらも、カリージョも反撃。12回、最後までガチンコで打ち合い、ゴングは鳴った。
井岡一法会長は「本気でやならないなら帰国させる、言うたからな。打ち返してきよる。根性がすごいわ」とカリージョを称賛。悲願達成へ向け、一翔の順調な調整に目を細め、「気合が入ってる。レベコにはうまさがあるから、十一、十二回まで僅差ではいきたくない」と十回までに勝負を付ける作戦だ。
誕生日のお祝いムードは練習前にケーキをプレゼントされた時のみ。一翔は「26歳を人生最高の年にする。世界王者と言えば井岡と言えるように。目標は4月22日、王座奪還することだけ。そこから26歳のスタート」と1カ月後に迫った大一番をにらんだ。
ボクサーとしても中堅どころに差し掛かり、30歳まであと4年。「あっという間に30歳は来ると思う。その時にもっと満足できるように。金字塔を打ち立てているように。26歳でそのためのチャンス、切符をつかみ取りたい」と気合十分。
周囲には結婚し、子供もいる同世代も多いが、今は封印。「(結婚が)いいな、と思うことはあるけど、今は自分のことを頑張るだけ。もう少し余裕ができてから、相手が見つかれば一家の大黒柱になりたい」と将来の青写真を語った。