元世界ランカー久高 判定で勝利
「ボクシング・スーパーフライ級8回戦」(3日、大阪府立体育会館)
元WBA世界フライ級3位で世界戦に4度挑戦経験のある久高寛之(30)=仲里=が中山佳祐(久留米櫛間)を判定3-0の圧勝で破り、4試合ぶり勝利を飾った。
サウスポー相手に序盤は間合いを計ると3回に動いた。打ち終わりに狙いすました右ストレートを顔面に打ち込み、相手を吹っ飛ばしダウンを奪った。
宝刀の右カウンターは6回にもさく裂する。相手の左右の連打をかわした直後、がら空きの顔面に強烈な右をヒットさせ、リングに転がした。
「自然に出たパンチ。勝ちの味から離れていたので、どんな形でも勝ちたかった。KOできたら良かったけど、勝ったということが大きい。勝ちに徹したボクシングをした」。KOこそ奪えなかったが、試合を最後まで支配し13年4月以来、2年ぶり復活勝利の味をかみしめた。
13年8月にアルゼンチンで4度目の世界挑戦に失敗。メンタル面でモチベーションは上がらず、その後、国内では判定で2戦2敗。「負ければ、終わり」の覚悟で今回の一戦に臨んでいた。
「肉体面は落ちていないし、後悔したくないし、もう1回、踏ん張ろうと。嫁さんも応援してくれたし、ここからもう1回世界を狙います」。この日も観戦した夫人と2人の子供にパパの健在ぶりを見せ付けた。
ジム同僚のIBF世界ミニマム級王者・高山勝成の背中を見て刺激を受けてきた。「高山先輩はIBF王座を何度も失敗した末、海外で獲得した。そういう姿を見てきているので」と、5度目の世界挑戦を本気で狙う。
4月2日に誕生日を迎え、30歳初戦を自ら祝う白星。「勝てて良かった。ここから勝ち続ける」と、再出発を誓った。
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