帝里木下が4回TKOで再起2連勝
「ボクシング・バンタム級8回戦」(12日、神戸芸術センター)
IBF世界スーパーフライ級5位で、元日本同級王者の帝里(ている)木下(29)=千里馬神戸=が、ノーンディア・ソーバンカル(タイ)を相手に4回2分31秒TKO勝利。昨年12月の再起戦に続くKOで連勝を飾った。
ガチガチにガードを固める相手を慎重に料理した。序盤からボディー攻撃でダメージを与え続けると、4回、決めに行った。
ロープに追い詰め、左右ボディーの猛ラッシュ。1度は逃げられたが、再び一方的に殴り続けると、相手は崩れ落ち、レフェリーが試合を止めた。
昨年7月、神戸でIBF同級王座決定戦をゾラニ・テテ(南アフリカ)と行ったが、0-3の判定でプロ初黒星を喫し、王座獲得に失敗した。「なぜ、もっと前に出られなかったのか。目を閉じれば、あの試合が出てくるし、(再戦の)シミュレーションもずっとしている」と後悔し続けてきた。
昨年の再起戦では「(今後に)迷いがある」としていたが、9カ月がたち、悔いを晴らすには世界を獲る以外に道はないと気付いた。リング上では「もう1度、テテに挑戦したい。回りは無理と思っても、自分がやり切れない思い。あの時、出せなかった気持ちを出すために、もう1回やりたい」とリベンジ戦を熱望した。
神戸ポートタワーホテルの社員でレストランフロアの主任。同ホテルは今年、帝里のために1部屋をトレーニングジムにし、サンドバッグまで吊し、環境を整えてくれた。
「休憩時間とかにもトレーニングできますしね。僕のために、ここまでやってくれて、後は僕がやるだけ」。全面支援する同ホテルのためにも、打倒テテ、世界ベルト奪取を自らに課した。
日本同級2位にもランクするが、視線は世界1本。「次はもっと骨のある、詰めた試合をしたい。ダラダラする気はない。世界に駆け上がりたい」と、力を込めた。