世IV虎の引退式で5選手が引き止める
「スターダム」(14日、後楽園ホール)
5月31日に引退を発表した世IV虎(よしこ、21)が来場し、引退セレモニーが行われた。しかし、紫雷イオ、岩谷麻優ら5選手が引き止めのためにリングに上がり、混乱の中、世IV虎が引き揚げるハプニング。予定されたテンカウントゴングも行われなかった。
世IV虎は、休憩明けに黒いスーツ、トレードマークの金髪でリングに登場し、深々と一礼。女性ファンから「スターダムで世IV虎さんの試合が見たい」という声がかかった直後に試合を終えたばかりのイオ、岩谷が突発的に世IV虎の前に現れた。はづき蓮王、渡辺桃、松本浩代も続いた。戸惑う世IV虎は「小川さん(=スターダム・ロッシー小川代表)、約束が違いますよ」と口にし、小川代表は「勝手にやってるから」と険しい表情で返した。
5人の熱い思いを受けた世IV虎だが、「本当に今まで、本当に応援してくれてありがとうございました」とあいさつすると、四方に一礼。取材対応なしで引き揚げた。
リング上で「勝手なことをしてすいませんでした」とわびたイオは、バックステージで「とっさに行ってしまった。何もいわずに『ありがとう。じゃあね』で済む話じゃない。何度か話してきたけど、きょうで2度とリングに上がってる世IV虎を見られないと思ったら、思わず行った」と説明。世IV虎と同期生で仲のいい岩谷は「ただ単にやめてほしくなかったからリングに上がった。寂しいから」と涙を見せた。
小川代表は5月31日の会見では、世IV虎に対し「引退か退団か」と問い、「スターダムで試合をしたくないけど、スターダムでしか試合をしたくないので、引退します」と返答されたと説明。「次に行くための本人なりの騒動のけじめということ。まだ21歳で、素質のある選手だった。まだ若いから、可能性があれば、また(プロレスを)やればいい。こっちは送り出すことしかできない」と話し、将来的な復帰について寛容な姿勢を示している