世IV虎 引退式も取材対応なし
「スターダム」(14日、後楽園ホール)
5月31日に引退を発表した世IV虎(よしこ、21)の引退セレモニーが行われた。しかし、仲間の5選手が引き止めのためにリングに上がる混乱の中、世IV虎が引き揚げるハプニングが発生。予定されたテンカウントゴングは行われなかった。
世IV虎が公の場に姿を見せたのは、安川悪斗の顔面に重傷を負わせた“凄惨マッチ”騒動を受け、無期限出場停止とワールド・オブ・スターダム王座はく奪の処分が発表された2月25日の会見以来。休憩明けに黒いスーツ、トレードマークの金髪でリングに登場した世IV虎は、深々と一礼した。
「引退なんてするな!」の声がかかるなど大コールの中で騒動について謝罪し、続けて「5月31日をもって、スターダムを引退させていただくことになりました。自分自身、プロレスを嫌いになったとか、そういうことではありません。自分はプロレスに救ってもらって、今があると思ってますし、ここに立ってるのも、皆さんに出会えたのもプロレスがあったから。プロレスには感謝してもしきれない」と思いを口にした。
そして「でも、今の中途半端な気持ちで大好きなリングに上がることはできないので。プロレスのリングがどれだけすごいところかは自分が1番分かってるつもりです。たくさんの方に応援していただいて、自分は本当に幸せものだったなと改めて感じます」と続けた。
引き止めのためにリングに上がった5選手の思いを受けた世IV虎だが「本当に今まで、本当に応援してくれてありがとうございました」とあいさつすると、四方に一礼。取材対応なしで引き揚げた。
5月31日の会見で小川代表は、「まだ若いから、可能性があれば、また(プロレスを)やればいい。こっちは送り出すことしかできない」と話し、世IV虎の将来的な復帰について寛容な姿勢を示していた。