“神の左”山中V9!モレノに僅差判定

判定でモレノ(左)に勝利し右手を上げる山中慎介=東京・大田区総合体育館(撮影・園田高夫)
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 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(22日、大田区総合体育館)

 王者・山中慎介(32)=帝拳=が2-1の僅差判定で、挑戦者で同級2位のアンセルモ・モレノ(30)=パナマ=を下し、9度目の防衛に成功した。世界王座9連続防衛は日本選手として、具志堅用高(13回)、長谷川穂積(10回)、内山高志(10回=継続中)に続き歴代4位。

 山中が9人目のチャレンジャーとして迎えたモレノはWBA世界同級王座を2008年から6年以上に渡り12度防衛した実績を持つ強豪。卓越した防御技術から“亡霊”の異名をとる。

 サウスポー同士の戦いは、両者右ジャブを丁寧に突く静かな立ち上がり。序盤はモレノの軽い右ジャブを当て、山中が時折左ストレートを打ち込む展開が続いた。4回終了時で公開された採点は2人が2ポイント山中リード、1人が同点だった。

 このスタイルではポイントを取ることができないモレノが5回から前に出る場面が増え、パンチが交錯する場面も増えた。8回終了時は2人が同点、1人が2ポイント挑戦者のリードに変わった。

 “神の左”と称される山中の左ストレートを“神の目”を持つモレノがかわす拮抗した試合はラスト4回の勝負に。9回に強引に仕掛けた山中は逆に右フックをカウンターで当てられてぐらつく。しかし10回、今度は山中が左ストレートをカウンターで当ててモレノを防戦一方に追い込んだ。両者ダウンはなく最終ラウンドまで戦い抜いた。スコアは2人が115-113で山中、1人は115-113でモレノだった。

 終盤の逆転で判定を制した山中は「苦しい戦いでした。4回が終わった時はいけると思ったが、中盤モレノがテンポを上げてきてやりづらかった。正直気持ちだけ。いいパンチは入れていないけど、最後気持ちだけで勝利を印象づけた。ほっとしています」とベルトを死守し、安どの表情を浮かべた。

 今後については「頂上決戦と言いながら内容的には満足できるものではなかったが、勝ったので次がある。期待してください」とさらなる強豪との対戦に視線を向けた。

 山中の通算戦績は26戦24勝(17KO)2分け。モレノは40戦35勝(12KO)4敗1分け。

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