高学歴・坂本が西日本フライ級新人王

 「ボクシング・西日本新人王決勝戦」(27日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 フライ級は高学歴理系ボクサー・坂本真宏(24)=六島=が村上博英(20)=大阪帝拳=を相手に2回2分59秒でKO勝利し、西日本新人王を獲得。11月15日の西軍代表決定戦へ進んだ。

 1回、ジャブの差し合いもなく、いきなりの接近戦に応戦。アッパー、フックと多彩な攻撃で圧倒すると、左フックを顔面にぶちこみ、ぐらつかせた。あと一歩まで攻めたが、ゴングが鳴った。

 2回、相手の捨て身の反撃に右目上をカット。流血しながら、激しい打ち合いの中、終了間際、右カウンターをアゴにヒットさせ、豪快にぶっ倒した。

 「出たとこ勝負みたいになってしまった。しっかり考えてやらないと」と反省したが、「4ラウンド、相手のペースに引きずり込まれてもいいように、至近距離でもやれるようにしてきた」と、入念な対策に胸を張った。

 公立・大阪市立大の機械工学科を昨年卒業。大学院試験を受験したが失敗し、今年はプロボクサーをやりながら、試験勉強を続けてきた。8月に試験を受け、9月上旬に見事、リベンジの合格通知。来春から晴れて、同大の大学院生プロボクサーになる。

 「練習しててもどこかで気にしていた。去年は二足のわらじと言いながらつまずいたので」と勝利で自ら合格祝いした。

 材料物性工学研究室に所属し、10月からは念願の研究も再会する。分野は主に金属で坂本は「チタニアナノチューブ」がテーマだ。

 大学から始めたボクシングは24勝(9KO)6敗と好成績を残し、昨年、プロボクサーデビュー。戦績は4戦全勝(3KO)。

 「研究して練習して、その後また研究」と忙しい日々となるが、文武両道を誓う。「(全日本)新人王になることだけを考えてきた。でも、頭は殴られないようにしないと。きょうもいっぱい殴られた」と、今後は優秀な頭脳のディフェンスが課題だ。

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