元大関把瑠都、総合格闘技デビュー
13年に引退した大相撲の元大関把瑠都ことカイド・ホーベルソン氏(30)が22日、都内で会見し、年末の格闘技イベント「RIZIN」(12月29~31日、さいたまスーパーアリーナ)で格闘家デビューすることを発表した。対戦相手は未定。大みそかでの初陣が有力視される。
黒いスーツで登壇した把瑠都は「相撲界から離れて2年たった。いい思い出、悪い思い出ある。(ひざの)ケガはよくなった。(リトアニアKOKの)ドナタスさんから格闘技に出て下さいと言われ、私も格闘技を愛してるんで。世界一強い格闘家を目指したい」と意気込みを明かした。1カ月前に正式オファーを受けたという。今後はエストニアに一時帰国し、大型選手と調整の上、年末に再来日するとした。ピーター・アーツ、小路晃氏らと練習を積んでいくとした。
引退後もずっと体は動かしていたとし、現役時代に189キロだった体重は165キロ~170キロ。パンチ、キックなど打撃について質問されると、「相撲界に入る前にナイトバーにいた。けんかはいっぱいあった」とニヤリ。場内から笑い声が起こった。柔道経験者とあって、寝技の対応にも自身を見せているという。過去、曙(全日本プロレス)、戦闘竜ら角界からの格闘家転向者が期待されたほどの活躍を見せていないことについて聞かれると、「力があれば何でもできます」とキッパリと言い切った。
同席したRIZINの榊原信行実行委員長は「我々も待ちに待った、新たに角界から世界を目指せる男がRIZINの第1回目に出場する決意をしていただいたことを発表させていただく」と期待。
高田延彦統括本部長も「皆さんの目をこっちに向けたいという安易な考えでラインナップしたファイターじゃない。いま30歳。一時ケガはあったけど、フレッシュな状態でいいトレーニングもしている。でかくて強くて憎たらしい、デンと構えた、世界で一番を目指すファイターになってほしい」と言葉を送った。把瑠都についてはこれまで、親交がある北京五輪柔道金メダリストで格闘家の石井慧が、自身が主戦場とするIGFへ把瑠都がたびたび観戦に訪れていることを明かしていた。
エストニア出身の把瑠都は04年5月場所で初土俵後、06年5月場所で新入幕。10年3月場所後に大関に昇進し、12年1月場所では幕内優勝を果たした。その後、左足のけがもあり、カド番で迎えた12年11月場所を途中休場して大関から陥落。東十両3枚目で迎えた13年9月場所前に引退表明した。198センチ、189キロ。