堀川「天王山」で拳四朗を迎え撃つ

 「ボクシング・日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦」(12月27日、京都・大山崎町体育館)

 9月にデビュー15年目で初のタイトルを獲得した日本ライトフライ級王者・堀川謙一(35)=SFマキ=が23日、同級1位・拳四朗(けん・しろう、23)=BMB=と初防衛戦を行うことを発表した。この日、京都府大山崎町のSFマキジムで両選手が会見した。

 30勝(7KO)13敗1分けの王者は日本3度、東洋太平洋1度と跳ね返されたベルトを5度目の挑戦で奪取した苦労人。「去年の暮れ、今年1年で最後のつもりと思ってやってきた。その気持ちは変わりない。次が区切り。最後までベストを尽くして頑張りたい」と勝敗に関わらず引退の意向を口にした。

 最後の相手が同じ京都出身で次代のスター候補なのも歓迎。「実力もランクも最強の挑戦者。すごくおもしろい試合になる。超ベテランVS超ホープの試合を京都で見てもらえるのはうれしい」と、地元で集大成を誓った。

 沖敬介会長は「すべてが一級品。指名試合じゃなかったら、やらない相手。キャリアを見せたい。壁になってプロは甘くないというのを教えたい」と、堀川にハッパをかけた。

 プロ6戦目で挑む拳は昨年8月のデビュー以来、5戦全勝(3KO)。前戦の10月12日にはWBCユース世界ライトフライ級王座決定戦を判定で制し、王座を獲得した。

 父で会長の寺地永氏は元日本ミドル級、東洋太平洋ライトヘビー級の2冠王者。野口進-恭、カシアス内藤-内藤律樹に続く日本3例目の父子日本王者は通過点に過ぎない。

 「これを獲らないと世界に行けない。絶対に勝って世界に行きたい。(王者の)最後の試合が僕で光栄。キャリアが違うので心得てやりたい」と、気を引き締めた。父・寺地氏も「さらに上を目指している。2年以内に世界戦を狙う」と、青写真を描いた。

 会場のある大山崎町は1582年、豊臣秀吉が明智光秀を討った「天下分け目の天王山」で知られる古戦場。初めてとなるボクシングの興行は町を挙げてバックアップする。歴戦の猛将が返り討ちにするか、若武者が天下獲りの足がかりとするか-。433年ぶり、「天王山」で合戦の火ぶたが切られる。

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