細川貴之が初の東洋太平洋王者
「デイリースポーツ後援・ボクシング・東洋太平洋スーパーウエルター級タイトルマッチ」(22日、大阪・住吉スポーツセンター)
同級1位の細川貴之(30)=六島=は王者・デニス・ローレンテ(38)=フィリピン=を判定2-1で破り、同王座を初奪取した。細川の戦績は28勝(9KO)10敗4分け、ローレンテは49勝(30KO)7敗5分け。
細川は昨年、悲願の日本同級王座を奪ったが、右目網膜裂孔を手術し同7月に返上した。今年4月には現日本王者・野中悠樹に挑み、ドローで奪還ならず。1年4カ月ぶりに、うれしい2冠目のベルトを手に入れた。
強打の王者を相手に、ジャブを打って距離を置くかクリンチするかの作戦を12回、遂行した。中盤に左フックをまともにもらい「右の奥歯が折れた」というが、耐え抜いた。老かいに手堅くポイントを重ね続けて、僅差の勝利。「新王者~」のコールを聞くと、リングに座り込んで喜んだ。
昨年、香夫人と結婚し今年、長女・咲歩ちゃん(6カ月)も誕生した。リング上で初めて愛(まな)娘を抱っこ。「娘にはずっとパワーをもらってきた。生活のために勝たないかんと思っていた」と、家族にようやく強いパパを見せることができた。
IBF世界同級4位にもランクし、指名挑戦者決定戦のオファーもあった。5階級制覇のスーパースター、フロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)が君臨する、この階級で世界挑戦も夢物語ではない。来年は3月に初防衛戦をクリアし、その後、IBF王者ジャモール・チャーロ(米国)への挑戦を本気で狙っていく。
新王者・細川は「IBF王者、めちゃくちゃ強いですよ」と及び腰ながら、枝川孝会長は「勝つことはない。1回持たない。けど、話が来たらやる。世界どこでも行く」と強気に言い放った。