辰吉ジュニア3連勝にも「全然だめ」

試合後、父・丈一郎(右)と話す辰吉寿以輝(撮影・飯室逸平)
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 「ボクシング・4回戦」(19日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(45)の次男・辰吉寿以輝(19)=大阪帝拳=がプロ第3戦に臨み、ここまで2勝1敗の脇田洸一(25)=クラトキ=に3-0の判定勝ちし、デビュー3連勝となった。両者ダウンシーンはなく、寿以輝のデビューからの連続KO勝利は「2」でストップした。

 バンタム級とスーパーバンタム級のちょうど中間点となる54・4キロ契約で行われた試合に寿以輝は400グラムアンダーの54・0キロで通過。父、母・るみさん、兄・寿希也さんがリングサイドに陣取る中、寿以輝はガウンを羽織ることなく、白地に赤ラインのトランクスで入場。赤コーナーからリングインすると、左拳をグルグル回しながら観客をあおった。

 オーソドックススタイル同士の対戦となった試合は初回、リング中央で左ジャブを突き合い主導権争いをするが、両者有効打は少なく、静かな立ち上がり。2回は脇田が左ジャブで距離を取り、浅いながらも右ストレートにつなげていたが、終盤に寿以輝が強引に出て左フックを当てる。脇田はクリンチでこのピンチをしのいだ。

 寿以輝にとって未知となる3回に試合は突入。脇田の右ストレートを受けて守勢にまわるシーンもあった。最終回は寿以輝が得意の左フックを決めるなど優勢だった。

 しかし狙っていたKO勝ちどころかダウンすら奪うことができず、判定勝ちのコールを受けても寿以輝に笑顔はなし。「今日は全然だめでした。やっぱり倒すような練習してきたんで…」と淡々と勝利者インタビューに答えた。

 なお、1989年9月にプロデビューした父・丈一郎は90年6月28日に3戦目を同じ会場(当時の名称は大阪府立体育会館第2競技場)で戦っている。ノンタイトル10回戦の相手はWBCインター王者のサミュエル・デュラン(フィリピン)だった。3回に左アッパーからのコンビネーションで先制のダウンを奪うと、7回に左アッパーから右ストレートを決めると、丈一郎の足にしがみつく相手に容赦なく左右のパンチをたたき込み、この回2分10秒でKO勝ち。デビュー3連続KO勝ちを決めた。

  ◇  ◇

 父・辰吉丈一郎のコメント

 「勝った気がせえへんかもしれないが、勝ったことで先につながると思う。課題としては左のジャブが少なかった。ジャブと左ストレートとは違う。左ジャブを打てばそこからセッティングワーク(組み立て)につながる。いままで2ラウンドを2回しかやってなかったから、きょう(の4ラウンドで)2試合分やったことになるんじゃないか。ものは考えようで、いい経験ができたんちゃうか」

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