和田まどか、佐伯を下しリオ五輪へ前進

 「全日本女子アマチュアボクシング選手権・決勝」(23日、東大阪市・近大記念会館別館)

 フライ級(51キロ以下)は昨年世界選手権で日本選手初の銅メダルを獲得した和田まどか(20)=芦屋大3年=が佐伯霞(19)=近大1年=を判定3-0で下し、3年連続優勝を飾った。来年のリオデジャネイロ五輪へ向けた来春のアジア予選に日本代表として選出されることが濃厚。同予選で上位進出し、日本女子初の五輪出場枠獲得を狙うことになる。

 優勝候補の筆頭・和田は、14歳時に女子世界ジュニアを制した逸材を返り討ちにした。1回から長いリーチを生かし、佐伯を寄せ付けなかった。接近戦に持ち込みたい相手のボディー、顔面に左を打ち込み、技術力で上回った。

 優勝の判定を聞くと、真っ先に横浜市の自宅にいる母・由紀子さんに報告。「良かったね」と祝福されると、涙が止まらなかった。

 親元を離れ、芦屋大の大学構内で1人暮らし。五輪出場の夢は両親の支えがあってこそ追える。「こみ上げてきた。母の声を聞いたらほっとした」とプレッシャーは半端ではなかった。

 ホームの近大で大声援を受け、ベテランの強豪を次々と打ち破って決勝まで来た佐伯の気迫を感じた。対戦成績では圧倒していたが、「何回やっても強い。やりづらい。霞ちゃんだけは、ダウンを奪えない。嫌な存在だけど、緊張感を与えてくれる存在」と、ライバルを称賛した。

 弱点も知り尽くしていた。「霞ちゃんはボディーが甘い。前もその前もボディーを打って勝った」。対戦相手によって攻略法を変えられるのも強み。「自分は器用なので」と胸を張った。

 13、14年とライトフライ級で連覇し、今年はオリンピック階級のフライ級でも国内No.1を証明した。「自信にはなるけど日本で1位は当たり前。うれしいじゃなく、すぐビデオを見て課題を探していく。海外と比べればまだ体格差もあるし、フィジカルトレーニングも続けないと。来年のリオが勝負。そこまで全力でやりたい」と、次なる舞台を見据えた。

 一方、和田に敗れた佐伯は、悔し涙。リオ、東京五輪の連続出場を目標にしていたが、リオの道は難しくなった。「結果は結果として。次、頑張ります。今は何も考えられない。ゆっくり休んで考えます」と、ショックを隠しきれない様子だった。

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