ボクシング・向井寛史、5度目の正直へ

 ボクシングの六島ジムは2日、大阪市内で会見し日本バンタム級8位の向井寛史(30)=六島=が3月20日、大阪・池田市立五月山体育館で再起戦を行うことを発表した。対戦相手は韓国人選手にオファーしている。

 昨年9月、同級タイトル戦で大森将平(ウォズ)に挑んだが、6回TKO負けし王座奪取に失敗。南京都高(現京都広学館高)の後輩相手にボディーでダウンを奪われる屈辱を喫したことがボクサー人生を考えさせた。

 「ほんまにボクシングに集中できていたのか、と。どこかで将来を考えながらやっていた。そこらへんが強くなりきれなかったことかな、と。2、3年前からそんな感じだったけど、大森が思い返させてくれた」と、再出発を決意した。

 結婚を意識し、「子供が好きなので子供が欲しい」と強い願望もある。家族を持つことを見据えれば、30歳はもうギリギリ。ボクサーで生計を立てられるのか、キッパリ辞めるのかは今年が勝負だ。

 テーマはアマチュアで腕を磨いた日大のキャッチフレーズ「拳闘馬鹿」だ。「僕の原点は日大。もう一回、拳闘馬鹿に戻る。拳闘馬鹿になってやっていきたい」とボクシングのみに打ち込む考えだ。

 過去、世界に2度、東洋太平洋、日本に各1度のタイトル挑戦は、いずれも届かなかった。「与えられるのでなく自分の手でタイトル挑戦まで行きたい。王者から声がかかるところまで行きたい」と、5度目の正直へ決意は半端ではない。

 高校時代の主将はロンドン五輪金メダリストの村田諒太(帝拳)で、自らは副主将を務めた。今は大きく差が開いたものの、一番の刺激を受け続けてきた。

 「アマチュア時代に監督に言われたのが『これくらいでいいやろとお前は思っている』と。確かに周りをみながら、これだけやれば十分と思っていた。村田は違った。走るのでも何でもいつも1番だ。昨日の自分に勝とうとしていたと思う」

 村田、そして同校の先輩のWBCバンタム級王者・山中慎介(帝拳)に関し気付いたことがある。「高校時代からボクシングのスタイルが変わっていない。アマでもプロでも何年もずっと変わらないってすごいこと。僕はころころ変わる」

 アマ時代から屈指のテクニシャン。「引き出しの多さ」は自他ともに認める実力ながら「考えすぎる性格」で伸び悩んできた。「馬鹿になる」宣言をした“村田の同級生”が30歳にして殻を破る時が来た。

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