元ＷＢＣ世界バンタム級王者・辰吉丈一郎（４５）のドキュメンタリー映画「ジョーのあした　辰吉丈一郎との２０年」が２７日、都内で公開され、ヒューマントラストシネマ渋谷で辰吉と阪本順治監督（５７）が初日の舞台あいさつを行った。

　“辰吉節”は相変わらずで「僕はまだ現役です。それだけが言いたかった」と開口一番、東京のファンにアピール。

　映画については「全部僕が映っているねん。気持ち悪い～」と“全否定”し、２０年間自身を追い続けた阪本監督も「おかしい。すべてが」とこき下ろした。「監督には申し訳ないけど、自分の出ている映画はこっぱずかしい。今日見たことはみなさん忘れてください！」とファンにお願いまでして、阪本監督を慌てさせた。

　しかし、映画は阪本監督との信頼関係を表すようにほとんどインタビューだけで構成された内容。試合機会を失っても引退しない辰吉の今の本音が引き出されている。１９９９年に亡くなった最愛の父、粂二さん（享年５２）がこの映画を見たらどう言うかと問われた辰吉は「よかったねえ、と言うんちゃうかな」と語っていた。