“ハヤブサのためのFMW”願いかなわず

ハヤブサさんの写真の横で話す大仁田厚=東京・竹柴のファースト・オン・ステージ(撮影・西岡正)
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 プロレス団体の超戦闘プロレスFMWが5日、都内で、プロレスラーで3日に死去したハヤブサさん(本名・江崎英治=享年47)についての会見を行い、大仁田厚(58)、雷神矢口(年齢非公表)らが思いを語った。

 大仁田にとって、ハヤブサさんは大仁田が設立した当時のFMWに入門した愛弟子。当時の印象を「坊主頭の、細いんですけどドロップキックがキレイな選手がいて、この選手は伸びるんじゃないか」と話すなど、ハヤブサさんの記憶を振り返った。

 そして、当時のFMWと15年に旗揚げした現在の超戦闘プロレスFMWが別会社であることを説明。「FMWの面々が結集して、ハヤブサが戻るリングを作ろうということで、超戦闘プロレスFMWを興した。来年の5・5川崎球場大会でカンバックという目標を作ろうじゃないかということで一致団結した」と、現在のFMWが、01年に試合中の事故で全身不随となり、復帰を目指してリハビリを続けていた、ハヤブサさんのための団体であることを明かした。

 ハヤブサさんにどんな声をかけたいかと問われると、「かけるとしたら、『ハヤブサ、元気にしてるか』でしょう。ずっと、オレたちの心に、オレたちのリングに、ハヤブサという名前は一生残る。何で死んだんだとか、そういうことは言いたくない」と気丈にコメントした。

 だが、感極まる場面も。「ハヤブサ選手がケガをしたときは全員ショックだった。(大仁田の師匠・故ジャイアント)馬場さんが言ったことが一つある。『プロレスラーでトップなんて取るもんじゃねえぞ。大変だぞ。休めねえんだ』と。(腹部の大きな裂傷を見せながら)オレも今日試合なんだよ。ハヤブサが休んだら、そのリングは成立するかと言えば成立しない。大仁田がリングに上がらなかったら成立しないわけでしょ。重圧ってのはありますよ。そんな中でケガをしてしまった。それにどんな声をかけるんですか」と話したときには、目が赤くなっていた。

 ミュージシャンの顔も持つ矢口も、ハヤブサさんとともに音楽活動を行うなど親交が深かった。突然の知らせに、「前回のFMW(2月26日の東京・後楽園ホール大会)でも元気な姿で、一言二言あいさつを交わした。実際、明後日に彼がいつもやっている居酒屋さんでライブをやるんで、『矢口さん、ギター弾きに来てよ』、『ああ、いいよ』、と約束もしていたんで、あまりにも突然で。彼は音楽を通してプロレスをやっていたと思うんですよ。何度も何度も立ち上がる姿勢を音楽で表現していたと思う」と、沈痛な面持ちで話した。

 また、今後の方針について、超戦闘プロレスFMWの山近義幸代表は「これからの新木場大会、後楽園ホール大会とか、ファンのご意見をうかがいながら、追悼大会を行います」と話したが、大仁田はハヤブサさんがなくなったことで、団体の存続も含めて「ハヤブサの死を商売にするつもりはない。ハヤブサは僕らの一つのシンボル。選手全員で話し合って、山近代表にぶつけて、検討しようと思っています」との考えを示した。

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