FW柿谷、ついに10試合無得点
「J1第10節 C大阪1‐1大宮(29日、ヤンマー)」
C大阪はホームで大宮と対戦し、1‐1で引き分けた。終了間際の後半49分に、途中出場のFW杉本の今季2得点目でドローに持ち込み、何とか勝ち点1をつかんだものの、チームはリーグ戦6試合未勝利で、1勝もできないまま4月を終えた。
ゴールが遠い。0‐0の後半9分、MF扇原のロングボールをDF丸橋が左足で落とす。ペナルティーエリア内に走り込んだ日本代表FW柿谷が右足で合わせるが、大宮GK江角の好守に阻まれた。絶好機を逃した背番号8は、雨に濡れた芝生に突っ伏した。開幕からの連続無得点はついに10試合を数えた。
「頑張っているけど結果が付いてこない。僕が決めていれば勝っていた。(ゴールを)決めるために一生懸命やっているということを伝えていかないといけない。結果で伝えられるのが一番いいですけど」。柿谷はうつむき、大雨の中詰め掛けた1万9367人のサポーターにも侘びた。
自己最多の21得点を記録した昨季は、10試合を終えた時点で6得点を挙げていたが、今季は2列目やサイドでのプレーもあり、ゴールから遠ざかっている。この日は日本代表スタッフも視察に訪れていが、今季初ゴールはまたもお預けとなった。
来月12日のブラジルW杯メンバー発表を約2週間後に控え、周囲の喧噪も増してくる中、ポポビッチ監督は「昨季は彼のキャリアハイで全てがうまくいった結果。去年の記録を超えるのは簡単なことではない。彼にとってここまで注目を浴びて期待されるのは初めて。その中で力を出していくのは誰にとっても難しいこと。メッシも代表ではバルセロナほどのプレーができないのは、国民の期待を背負って戦うというプレッシャーもあるから」と、アルゼンチン代表の名を挙げて柿谷をかばった。
前半37分にMF長谷川のクロスを右足アウトで放ったループシュートはバーを叩いたが、柿谷ならではの高い技術が凝縮されていた。ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)では6戦4発とゴールを量産しているが、リーグ戦ではネットを揺らすことができない。
W杯メンバー発表までリーグ戦は残り2試合。ノーゴールのまま運命の日を迎えることはできない。柿谷のゴールを誰もが待ち望んでいる。