C大阪“逆輸入選手”平野初出場初得点
「J1、C大阪2‐2横浜M」(19日、ヤンマー)
1‐2の後半46分、GK金鎮鉉のロングフィードに抜け出したFW杉本がGKとの1対1を冷静に流し込み、C大阪が土壇場で引き分けに持ち込んだ。
C大阪の先制ゴールを挙げたのは、リーグ戦中断期間の6月にタイ・プレミアリーグのブリラムから加入し、前日18日に登録が完了したばかりの“逆輸入選手”MF平野甲斐(26)だった。
前半45分、右サイドを突破したMF安藤のクロスに飛び込み頭で合わせた。移籍初先発の平野はJ1初出場初得点。「(ボールが)抜けてきたら決めてやるという気持ちだった」と喜びを噛みしめた。
滋賀県のびわこ成蹊スポーツ大を卒業後、J2富山に入団。さらなる活躍の場を求めて13年からタイ・プレミアリーグのブリラムに移籍し、リーグ戦では32試合で7得点を挙げた。今季のACL(アジア・チャンピオンズリーグ)では1次リーグでC大阪と同組となり惜しくも敗退したが、昨季はベスト8に進出した実績も持つ。
4月に第1子となる男の子が生まれたばかり。「子供のためにも日本のトップリーグでチャレンジしたい」と日本への復帰を決めた。この日は妻子だけでなく故郷の島根県隠岐の島から両親も駆け付け、スタンドから記念すべき一戦を見つめた。
慣れない左サイドでのプレーだったが「自分にできることを精いっぱいやるだけ。気負いもなかった」と後半23分に交代するまで全力でピッチを駆けた。
チームは連敗を3で止めたものの、順位を一つ落とし14位に沈んだ。降格圏内の16位甲府とは勝ち点1差。平野は試合後「率直に自分のゴールよりチームの勝利が一番だった」と悔しさも見せた。26歳の新戦力が、C大阪浮上のきっかけとなる。