“日本一厳しい昇格争い”大会が開幕

 日本のサッカー界でもっとも狭き門と言われる昇格争いをご存じだろうか。アマチュアの各地域リーグから、全国リーグであるJFL(日本フットボールリーグ)への昇格チームを決める「全国地域リーグ決勝大会(以下、決勝大会)」が7日、各地で開幕した。

 初日の結果は以下の通り。

 【グループA】

FC大阪(全社/大阪府)4-1浦安SC(関東/千葉県)

十勝フェアスカイFC(北海道/北海道)0-9FCガンジュ岩手(東北/岩手県)

 【グループB】

VONDS市原FC(全社/千葉県)3-1高知UトラスターFC(四国/高知県)

新日鐵住金大分(九州/大分県)0-4奈良クラブ(関西/奈良県)

 【グループC】

サウルコス福井(北信越/福井県)2-1FC鈴鹿ランポーレ(東海/三重県)

クラブ・ドラゴンズ(全社/茨城県)1-2松江シティFC(中国/島根県)

 プロリーグがJ1からJ3まで3段階に分かれ、その下部にJFLが位置する。そしてJFLの下部に全国を9ブロック(北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国、四国、九州)に分けた地域リーグがある。この地域リーグからJFLに昇格するためには、リーグ戦で優勝するだけではなく、決勝大会で上位に入らなければならない。

 JFLは今季の14から16チームに来季拡大するため、少なくとも決勝大会の上位2チームに入るとJFL昇格が決定する。各地域リーグ(1部リーグ)の所属チーム数は以下の通り。

 北海道 8

 東北  10

 関東  10

 北信越 8

 東海  8

 関西  8

 中国  10

 四国  8

 九州  10

 中にはJFLに昇格する意思のないチームもある(決勝大会出場チームでは十勝フェアスカイFC=北海道、新日鐵住金大分=九州)が、各地域のリーグ戦と決勝大会の2つの大会を経て、合計80チームの上位2位に入らなければならない計算になる。

 さらに、日程面もし烈だ。決勝大会には各地域リーグで優勝した9チームと、全国社会人選手権大会上位の3チーム12チームが出場し、4チームずつ総当たりの1次ラウンドを行う。各1位の3チームと2位の成績最上位チームが決勝ラウンドに進出。ここでも総当たりで上位2位を争う。

 しかも、1次ラウンドの3試合は7日から9日まで3日連続で、決勝ラウンドの3試合も22日から24日まで3日連続で行われる。倍率、日程の両面で“日本一厳しい昇格争い”の看板に偽りない大会だ。

 出場チームの1つ、奈良クラブには川崎、福岡、柏、札幌で4回J2からJ1への昇格に貢献したFW岡山一成が所属している。その岡山もデイリースポーツの取材に、「奈良クラブに来るまで、こんなに厳しい昇格争いがあるって分からなかった。ここを昇格させて初めて昇格請負人と言ってもらえると思う」との覚悟を示している。

 奈良クラブに限らず、それぞれのチームが熱い戦いを繰り広げる全国地域リーグ決勝大会に注目だ。

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