新生柏 速攻からパスサッカーへ
「ACL・東地区プレーオフ、柏3-2チョンブリ」(17日、柏)
昨季のJ1で4位となった柏が、延長後半10分にFWレアンドロが右CKを頭で決めて2年ぶりのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場を決めた。今季から指揮を執る吉田達磨監督は「ほっとしています。うれしいよりもホッとしていますね」と、胸の内を語った。
昨年までとは180度違うレイソルに生まれ変わった。ネルシーニョ前監督時代はカウンター、あるいは効果的な縦パスを軸にしていたが、この試合で柏が見せたのは細かくパスをつなぎ、崩しきることを目指すポゼッションサッカーだった。
内容ではチョンブリ(タイ)を圧倒した。だが、いかんせん決定機を生かし切れなかった。シュート本数は120分で47-7。クリスティアーノが16本、2得点したレアンドロも1点目はPKでのもの。11本ものシュートを放ったが、延長後半の決勝ゴールまでネットを揺らせなかった。
1月15日に始動し、準備期間は約1か月だけ。プレーオフにまわっている以上、仕方がないとはいえ、急ピッチで何とか形にする必要があった。主将の大谷は「(決定機の)その都度、ゴールを揺らせれば楽なゲームになった」と反省しつつも、「自分たちがやってきたことをどれだけ出せるかだと思う。本当にまだ最初なので」と先行きに心配はしていなかった。
この日のフォーメーションは4-3-3だった。増嶋、鈴木、金昌洙の4バック。茨田がアンカーに入り、昨季までダブルボランチの一角だった大谷が武富とインサイドハーフを組んだ。3トップは左からクリスティアーノ、レアンドロ、工藤が形成した。
練習と試合を重ねれば、内容も結果も圧倒できる。そんな理想をチームは掲げている。コンディションが上がりきっておらず、延長後半8分からの出場になったFW大津は「つなげられると思うし、(パスを)回せる選手がそろっている」とパスサッカーに手応えをつかんでいる。
24日にはACL本戦の全北現代戦が控える。この日は先制直後の前半10分にあっけなく守備ラインを破られ、失点する悪い面も見えた。大谷は「勝ちながら修正していける。(今日は)最低限の形だと思います」と、ここからの上積みを約束した。