なでしこ澤以外もVメンバー重用
サッカー女子W杯のメンバー23人が1日、発表された。男女を通じて世界初となる6回連続のW杯へ向け注目されていたMF澤穂希(36)=INAC神戸=も選出されたが、澤のみならず、軒並みW杯優勝メンバーが顔をそろえた。言い換えると、チームの新陳代謝がほとんどない状態で、W杯本大会を迎えることを意味する。
優勝した前回大会2011年の登録メンバーは21人。このうち、選手数が拡大され23人となった今大会に選ばれていないのは、現役を引退したGK山郷のぞみ、DF矢野喬子の2人と、負傷(右膝外側半月板損傷)のため選外となったFW高瀬愛実(INAC神戸)、そしてFW丸山桂里奈(大阪高槻)の合計4人だけだ。
こうしたVメンバー頼みの状況は佐々木則夫監督は承知している。「理想的には少し新たな若い選手もメンバー構成に入ればいいかなと思った」とした上で、「(最近の)2年間の準備の中でチャンスは試行しながらやったつもりでしたが、最後の最後に入った状況、経験のある選手が安定感がある」と今回の人選に踏み切ったと明かした。
新戦力の育成へ、日本協会や監督は何もしてこなかったわけではない。なでしこチャレンジという今後の代表定着が期待されるカテゴリーをつくり、選手の自覚、成長を促す合宿を国内リーグ開幕前に開催してきた。
しかし、若手をメンバーに入れた昨年秋のアジア大会では決勝で北朝鮮に1-3で敗れ準優勝。世界一はおろか、アジア一を維持することも、若手を入れたままではままならなくなっていた。
佐々木監督は「未来へ向けた状況では、次のU-19のメンバーも国際的な力を持ち合わせた選手もいます。このチームに移行するには時間が必要なので、あえては選考しなかった」と世代交代はW杯後になるとの見方を示した。