シンガポール監督「センセーション」
「ロシアW杯アジア2次予選、日本0-0シンガポール」(16日、埼玉ス)
シンガポール代表のベルント・シュタンゲ監督(ドイツ)が日本相手の番狂わせを満足げに振り返った。
にこやかに会見場に登場すると、「期待されていない結果をなしとげられ、センセーションだったと思う。中立なサポーターには魅力的ではなかったかもしれないが、コンパクトに守備をし、カウンター攻撃を狙った。とにかく、日本は試合開始直後と後半開始の20分に考えられないぐらいプレシャーをかけてくるので、そこをしのげば大丈夫だとハーフタイムに確認した」と狙い通りのゲームプランを展開したと振り返った。
好守を連発したGKイズワンについては「彼は若く24歳だが、じきに大きなクラブから誘いが来ると思う。元ストライカーでリアクションが速い。日本でプレーをする日も来るのではないでしょうか」とJリーグに売り込んだ。
ハリルホジッチ監督の采配については「日本代表の監督、コーチは経験豊富で正しい選択をした」とリスペクトした。「フレッシュな足を投入することが必要です。忘れてはいけないのが、日本代表選手のほとんどがヨーロッパでとても長いシーズンを終えたばかりで疲れていたであろうということです。自国でのリーグに加え、(アジア)チャンピオンズリーグもあった。シーズン直後で疲労感があったことと、少し集中力が欠けていたかもしれません。もしかしたら(シンガポールを)過小評価をしていたのかもしれません」とフォローした。
日本との地力の差が大きいことはシュタンゲ監督も十分に承知している。「カウンターを仕掛けてさらなるセンセーションを起こせたらと思いましたが、そこまでの力もパンチ(攻撃力、突破力)もありませんでした」とまだまだ発展途上であるとまとめた。
会見終了後、席に飾られていた日本代表をサポートするキリンの缶ビールを見つけ、「1本もらっていいですか?」とドイツ人らしいジョークも飛ばした。現状で出しうる最大限の結果に、満足していることがうかがえた。