観衆3桁も…復活期すなでしこリーグ
サッカー日本女子代表なでしこジャパンは5日、カナダ女子W杯決勝をバンクーバーで米国と戦い2-5で敗れた。主将の宮間あや(岡山湯郷)は女子サッカーを「ブームではなく文化にしたい」と強い決意を胸に臨んだ。結果は及ばなかった。宮間が危機感を抱く通り、国内のなでしこリーグの観客動員は停滞しており、代表人気が日常のリーグ戦につながっていないのが現実だ。
なでしこがブームとして爆発したのは2011年のW杯優勝直後から銀メダルを獲得した2012年ロンドン五輪にかけて。多くの代表選手が所属するINAC神戸と日テレのリーグ戦での試合の観衆を比較した。
11年5月7日 日テレ0-2INAC神戸(駒沢陸上) 1050人※W杯前
11年11月6日 INAC神戸1-1日テレ(ホームズ)10585人※W杯後
12年6月10日 日テレ0-1INAC神戸(国立) 16663人※ロンドン五輪直前
12年11月11日 INAC神戸4-0日テレ(長居) 5160人※ロンドン五輪後
13年5月12日 INAC神戸4-2日テレ(ノエスタ) 6401人
13年10月26日 日テレ1-0INAC神戸(味スタ) 2301人
14年6月8日 INAC神戸2-3日テレ(ノエスタ) 5606人
14年8月2日 日テレ2-1INAC神戸(味フィ西) 2283人
14年10月10日 INAC神戸0-2日テレ(ノエスタ) 2153人
14年11月8日 日テレ2-1INAC神戸(多摩陸上) 1730人
15年5月6日 日テレ2-1INAC神戸(味フィ西) 4373人
ドイツ女子W杯からロンドン五輪までは1万人以上を集めてたリーグきっての黄金カードも、最近は5000人を切っている。ただ、ドイツ女子W杯直後でも代表選手がいない試合では3桁しか観衆がいない例も多くある。カナダ女子W杯直前のリーグ戦でも3試合が3桁の動員にとどまったが、埼玉、伊賀、大阪高槻と代表選手がいないクラブのホームゲームだった。
なでしこリーグは、公式サイトで他国リーグのニュース(ワンバックの移籍の話題など)を伝えるなど女子サッカー全体へのファンの興味を引こうと努力はしているが、数字の上でも体感的にも国内のリーグ戦が盛り上がっているとは言えない。各代表選手が持つ人気だけではなく、いかにクラブやリーグ単位で魅力をアピールするかが今後、問われる。なでしこリーグ再開は7月12日。世界での激闘は終わったが、“なでしこ”を文化にするための戦いは続く。