佐々木監督あ然 澤はリオ構想内だった
「皇后杯・準々決勝 INAC神戸2-0AS埼玉」(19日、東京・味の素フィールド西が丘、観衆=3666人)
MF澤穂希(37)が今季限りでの現役引退を表明してから最初の試合となり、サッカー女子日本代表・なでしこジャパンの佐々木則夫監督(57)が観戦した。無得点ではあったが、勝利に貢献した澤のプレーを絶賛し、来年のリオデジャネイロ五輪の代表チームの構想に入っていたことを明かした。
澤の代理人事務所から現役引退の一報を受けたという佐々木監督は「リオ五輪の構想のメンバーには入っていたので、ちょっとあ然とした」と衝撃のニュースだったことを明かした。相談は特に受けておらず、澤本人からの電話にも監督は出られなかったというが、「これからの人生を謳歌してほしい」という趣旨のメールを送ったと明かした。
アジア最終予選(大阪)は来年2月29日に開幕し、上位2チームに入り出場権を獲得すると8月にリオ五輪が控えている。佐々木監督は「1月、2月は(代表チームも)準備を整える。(澤は)今年1年出ずっぱりでやっていたんですけど、(気候が)暖かくなってから彼女の力を借りようかなと思っていました」と“幻”となってしまった澤の5度目となる五輪出場構想を明かした。
この日の澤は得点、アシストこそなかったが守備的MFとして攻守のバランスを取る役割を果たした。ミスはなく、相手がクロスを上げようというシーンでは体を張って守り切った。佐々木監督は「今シーズンで1番のプレーだった。守備の狙い目、インターセプトと、体を1番張っているのは彼女でした。少女だけではなく、現役の選手も見習ってほしい。意気地(いきじ)を見せてくれた」と絶賛した。
なでしこジャパンで長い間、澤がつけていた背番号「10」の後継者についても聞かれたが、「おれがつけようかな。(上着の)下に。だめって言われるだろうな」とジョークでかわしていた。