サッカー女子日本代表前監督の佐々木則夫氏（５７）が、男子のバヒド・ハリルホジッチ監督（６３）の用意周到さに舌を巻いた。２８日、欧州選手権を生中継するＷＯＷＯＷによる制作発表会見にそろって出席。注目する選手をたずねられたハリルホジッチ監督はやおらメモを取り出し、用意しておいた通りにきっちりと答えた。特段に何も用意していなかった佐々木氏は舌を巻いていた。

　６月１０日に開幕する欧州選手権の見どころをたずねられたハリルホジッチ監督はメモを取り出し、「私も少し準備をしました」と語り始めた。そして、注目選手として無数の名前を列挙。フランスからはアントニー・マルシャル（マンチェスター・ユナイテッド）、ディミトリ・パイエ（ウエストハム）、エンゴロ・カンテ（レスター）といった有力選手の名前が次々に飛び出した。

　さらに、イングランドについては「若手を中心に来るんじゃないかな。トットナムのケイン、岡崎の同僚のバーディー、シティのスターリング、リバプールのスタリッジ」と、こちらも注目の攻撃陣を列挙し、日本でもおなじみのウェイン・ルーニー（マンチェスター・ユナイテッド）については「もしかしたら出番はないかもしれない。私が監督だったら外しますね」と“ルーニー外し”まで予想してしまった。

　さらに、ハリル監督は「トップレベルのスポーツと普通のスポーツの違いは準備をすること」「ミーティングでもどんな言葉を（選手に）かけるか準備します」と本業の分野にまで言及。日本代表の合宿も綿密に準備してから臨んでいることを明かした。

　あまりにもよどみない解説ぶりに、隣で聞いていた佐々木氏は「私とホジッチの一番の違いは、こういう準備をしてくるかどうか」と苦笑するばかりだったが、当然、何も考えていなかったわけではない。「次世代を担う若いスターが毎年、生まれてきていると思うので、その辺にも期待したい」と見どころを語り、ハリル監督も「佐々木さんの言葉にもありましたが、若手の大会になるかもしれない」と同調していた。

　ちなみに、優勝予想はハリル監督が「開催のフランス代表が本命ではないでしょうか。すぐ次にベルギーかイングランド。台風の目はクロアチアだと思います」。佐々木氏は「本命ですけど、ドイツ、フランス」だった。