J2熊本FW巻、0-2黒星に涙
「J2、千葉2-0熊本」(15日、フクダ電子アリーナ)
熊本地震の影響で、公式戦などが中止・延期されていた熊本が4月9日以来となる約1カ月ぶりのリーグ戦に臨んだが、0-2で敗れた。先発したFW巻誠一郎は試合後のインタビューで「本当は少しでも…、勝ち点を)1でも、熊本の皆さんに届けたかった」と涙し、途中、16秒絶句。込み上げる思いを抑えきれなかった。
前半を0-0で折り返した熊本は、後半11分に千葉のMF町田に先制ゴールを許すと、同29分にはGK畑がミスでボールを町田に奪われてしまい、2点目も献上。苦しい試合展開となった。先発し後半39分までプレーした巻は「本当はやっぱり…。勝ち点をね」と声を詰まらせ、悔しさをあらわにした。
攻守で献身的にピッチを駆け回った自身のプレーについての質問には、感極まり答えられず。16秒前後、絶句した。会場まで駆けつけた多くの熊本サポーターへの思いを「本当は少しでも…、(勝ち点)1でも、熊本の皆さんに届けたかったですし、いろんな思いも伝えたかったんですけど、なかなか伝えることができませんでした」と吐き出し、大粒の涙を流した。
今後もリーグ戦は続いていく。熊本の復興への活動も始まったばかりだ。巻は「熊本の復興もそうですし、僕らもこれで終わりじゃなくて、ここからが大事だと思っています。力強く1歩を踏み出せるように、チーム一丸となって熊本一丸となって前に進んでいきたいと思います」と絞り出した。
主将のMF岡本賢明も「本当に勝ちたいゲームだったので悔しいです。自分たちはサッカーをさせてもらっているし、今日にかける思いは強かったので、絶対に勝ちたかったんですけど、負けてしまって申し訳ないし、悔しいです」と涙を拭った。
この日の熊本サポーター席には「ただいまJリーグ」「熊本の笑顔のために闘うばい」「全国の皆様の思いに感謝」「世界に誇れる熊本を取り戻す」という横断幕が掲げられていた。