鶴竜3場所ぶり出場で「やるしかない」
12日から愛知県体育館で開催される大相撲名古屋場所の初日を翌日に控え、11日には同所で恒例の土俵祭りが行われ、北の湖理事長(元横綱)をはじめ協会幹部、三役以上の力士が出席した。左肩の負傷のため3月の春場所、5月の夏場所を続けて全休した横綱鶴竜(井筒部屋)は、「ここまできたらやるしかない」と復活へ闘志をみなぎらせた。
3場所ぶりに迎える本場所の土俵だけに、さすがに緊張感が増してきた。さらに初日の相手は関脇に返り咲いた逸ノ城。実は春場所でも初日に対戦が組まれていたが、鶴竜が急きょ休場したため逸ノ城の不戦勝となった。くしくもその時と同じ取組となったことで、鶴竜の決意にも並々ならぬものがある。「仕切り直しの機会を与えられた。同じ相手だし再スタートという感じ」と言葉に力を込めた。
北の湖理事長も復活のキーポイントを序盤だと指摘する。「鶴竜は初日が大事。久しぶりで足が地に着かないかもしれないが、ここで勝てば気持ちが変わってくる」と説明。序盤戦を無難に乗り切れば、優勝争いに加わる可能性も示した。昨年の3月場所後に横綱になって以来、優勝がないだけに何としても賜杯を手にしたいところ。5月末に長女アニルランちゃんが誕生して発奮材料は十分だ。
一方の逸ノ城は5月場所初日の白鵬戦に続いて、横綱を破っての白星発進へ意欲満々。「まわしを取って先に攻めたい。横綱に頭をつけられないように、自分の相撲を取るだけ」と虎視眈々。ライバルの照ノ富士が先に大関に昇進しただけに、大関への足固めとなる2ケタ勝利を目指して大暴れを誓った。