大島&西岩、両親方の初仕事は防災訓練
13日に初日を迎える大相撲秋場所を前に9日、恒例の防災訓練が東京・両国国技館で行われた。7月の名古屋場所を最後に現役を引退した大島親方(元関脇旭天鵬)と西岩親方(元関脇若の里)の2人にとっては、親方となってから初めての公の仕事となり、相撲協会のジャンパーを着用して真剣な表情で訓練に取り組んだ。
これまでは土俵の上で相撲を取ることが仕事だったが、秋場所からは裏方として力士たちをサポートする立場になる。お互い初めて着た相撲協会のジャンパー姿に「似合ってる?」と声をかけ合った。
防災訓練は、本場所開催中の国技館で火災が発生したという想定で実施され、地下1階に備えてある消火用ホースで鎮火にあたる役目を2人でこなした。さらにAEDの使用方法の講習を受け、慣れないワイシャツ姿で汗だくになりながら心臓マッサージを続けた。
西岩親方が名古屋場所後も現役を続行して、8月に地元青森で行われた夏巡業に参加。3日に現役引退を表明したばかりで、「やっと親方になったという実感が湧きました」としみじみと語った。92年3月場所に一緒に初土俵を踏んだ同期生が、偶然にも一緒に引退して親方1年生となった。「やっぱり不安もあるし、分からないことはお互いに助け合っていけるから良かったよ。少しずつ仕事を覚えていきたい」と大島親方もホッとした表情を見せていた。