サンテレビ45周年 バルボン氏助っ人
プロ野球・阪神戦の完全試合中継でおなじみサンテレビ(神戸市)が、1日の阪神‐広島戦(甲子園)を開局45周年特番として中継し、同局が阪神戦を初中継した1969年5月6日に解説を務めた元阪急のロベルト・バルボン氏(81)が“助っ人”としてゲスト出演した。
同局は1日が開局記念日で阪神戦中継は3071試合目。開局5日後の初中継時も、この日と同じ阪神‐広島戦だった。
バルボン氏は「もうすぐ半世紀。まさかこんなに長く続くとは思わなかった」と感慨深げ。当時を「外国人の僕に解説を任せるのも驚きだったし、試合中継は夜9時までが当たり前の時代に、試合の最後まで中継してしゃべらせてくれる、本当に楽しい番組だった」と振り返った。
完全中継制は翌70年から行われたが、69年当初からラジオ中継と同じ試合終了まで放送をポリシーに発足。初中継試合(19時試合開始)は、19時30分から中継し、延長戦にもつれこんだ試合を、試合終了の22時35分まで延長放送した。
試合は阪神が最大5点差を土壇場の九回に追いつき、延長十回に藤田平のサヨナラ打で勝利。スコアは8‐7。くしくも現在、TBS系ドラマで話題の、かつてフランクリン・ルーズベルト米国大統領が「最もおもしろいスコア」と称したとされる“ルーズヴェルト・ゲーム”での逆転勝利だった。
現役引退後も日本で生活を続け「日本野球を見続けて60年だ。長嶋さんや王さんより先輩だから」と胸を張ったバルボン氏は「今ならもっとうまい日本語で解説できる」とニヤリ。今季は、古巣の現オリックスも好調とあって、「阪神と阪急(オリックス)の日本選手権が見たい。今年はチャンスだよ」と力が入っていた。
バルボン氏が同局中継に登場したのは99年の開局30周年特番以来、15年ぶり。この日は、同局中継を01年まで32年間担当した西澤暲アナウンサーや、69年当時の新人だった田淵幸一氏も出演した。
45年間、数々の名場面を中継してきたサンテレビの阪神中継。92年9月11日の阪神‐ヤクルト戦の6時間41分中継(試合終了24時41分)は、現在も放送界史上最長記録となっている。