“Gキラー”メッセを支える闘争心
今季もメッセンジャーが王者・巨人の前に立ちはだかりそうだ。初対戦した4月3日は敵地・東京ドームで8回を投げ、7安打されながら2失点。尻上がりの投球で今季初勝利を挙げた。昨季は8試合に先発し、4勝1敗、防御率・3・17。来日5年目にして“Gキラー”を襲名した。
最初から、お得意様だったわけではない。来日1年目10年は1勝2敗、防御率7・80、2年目の11年も1勝2敗、防御率4・26だ。12年は1勝2敗、防御率2・15だが、13年は1試合中継ぎ登板しただけに終わっていた。
なぜ、巨人戦に強くなったのか-。メッセンジャーはこう言う。
「投げていない時期があっただけで、苦手意識はなかった。いつも投げたいと思っていた。『こう投げる』というイメージは、常に頭の中にあったんだ」
14年シーズン前から「巨人戦に投げさせほしい」と強く訴えた。13年は初の開幕投手も務め、来日初の奪三振王のタイトルを獲得。虎のエースという自覚も芽生え始めていた。
中西投手コーチは、メッセンジャーが巨人に勝てる理由について「球速、フォーク、カーブ」と球種的要因を挙げた後、「それと闘争心だな」と続けた。注目度の高い伝統の一戦。相手を負かしたいという強い気持ちが、勝負を分けるという。
強力打線を前にしても一歩も引かない。昨季、坂本、阿部、村田には打率3割以上打たれていたが、そこにあるのは強い信念。大胆かつ繊細に。助っ人は語気を強めて言う。
「逃げたくないんだ。ボール、ボールで逃げたくない。ストライクゾーンで勝負したい。ボールカウントを悪くして、かわすピッチングだけはしたくないんだ。攻めた結果だと思っている。それに、先頭バッターに打たれてランナーが一塁に出ても全然気にしない。得点圏にランナーがいたら注意は払うけど、シングルヒットなら、全然気にしないね」
今季も巨人戦中心に先発ローテをまわっていく。順調にいけば交流戦まであと3度、先発機会がありそうだ。「正直、中4、中5日の間隔で投げたいと思っている。でも首脳陣がジャイアンツ相手に投げろと言ってくれるのでやりがいを感じてやりたい」。短い間隔での登板を好む助っ人も意気に感じている。リーグ優勝を狙う上で、これ以上、頼もしい存在はいないだろう。
(杉原史恭)
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