岩田が7回10安打も粘投無失点

力投する阪神・岩田稔=甲子園(撮影・棚橋慶太)
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 「阪神3-1ヤクルト」(29日、甲子園)

 阪神先発の岩田が持ち味を存分に発揮した。10安打され、毎回走者を背負う苦しい展開の中、7回を無失点。今季5試合目の登板にして、今季初勝利を挙げた。

 初回、先頭の山田にいきなり右前打。上田の犠打で1死二塁とされたが、川端を中飛、雄平を空振り三振に仕留めて無失点。二回には畠山、荒木に連打され、無死一、二塁とされたが、中村を併殺打、大引を中飛に打ち取り、切り抜けた。

 今季5試合目の登板で、ここまで0勝1敗。岩田は今季初勝利へ向け「ずっと状態は悪くない。どんな形であれ勝ちたい」と強い気持ちを見せていた。

 今季初登板となった3月28日・中日戦では8回無失点と好投。自身に白星は付かなかったものの、チームの勝利には大きく貢献した。4月4日・巨人戦では7失点で六回途中降板。今季初黒星を喫したが、その後は14日・中日戦で7回2失点、21日・DeNA戦では七回途中2失点と、まずまずの投球内容だった。

 開幕から1カ月。今季初勝利への執念をにじませながらの登板だった。七回には先頭の田中浩に四球を与えたが、動じなかった。続く山田を併殺に打ち取った。続く上田、川端に連打されたが、持ちこたえた。雄平を空振り三振に仕留めて7個目の「0」を並べ、マウンドを降りた。

 八回から登板の安藤は無死満塁のピンチを招いて降板。しかし高宮、福原が最少失点で切り抜け、九回は呉昇桓が無失点に抑えて勝利をたぐり寄せた。

 マートンとともにヒーローインタビューのお立ち台に上がった岩田。「三者凡退が一度もない情けないピッチングだったと思います」と反省しつつも、今季初勝利については「うれしいです」と素直に喜んだ。走者を背負いながらも、驚異的な粘りで無失点に抑えることができた要因は「勝ちたいからですね、ハイ」と振り返っていた。

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