鬼平が警告 阪神単独最下位転落
「阪神0-10広島」(9日、甲子園)
阪神が大敗。今季3度目の完封負けを喫し、シーズン10試合目以降では2011年6月8日以来、1431日ぶりの単独最下位へと転落した。
先発マウンドに上がったのはエース能見。三回、丸に先制打を許すと、五回には新井に2ランを被弾。6回9安打3失点で降板した。
救援陣も踏ん張れない。七回から登板した高宮が1死一、三塁のピンチを招いて降板。代わった松田は新井に2点打を許した。八回に田中の犠飛で1点を追加されると、九回には5番手・島本が鈴木誠に満塁弾を浴びて、ダメ押しされた。
打線は走者を出しながらも、得点につながらなかった。初回には2死満塁の先制機を築いたものの、マートンが二ゴロに倒れて無得点。四回にも1死満塁と攻めたが、能見、西岡が空振り三振に倒れて得点できなかった。
九回には2死一、二塁としたが、西岡が空振り三振。完封負けを阻止することはできなかった。
かつて「鬼平」と呼ばれた元阪神監督でデイリースポーツ野球評論家の藤田平氏は「大敗となっても仕方のないような戦い方」と指摘する。
「劣勢の展開では、勝ちパターンのリリーフではなく若手を使うケースは確かに多い。しかしチーム状況、試合内容によって判断していかないといけない。時には実績のある中継ぎを投入して、とにかく相手の勢いを止めることが先決だ」
各チームともいわゆる「勝利の方程式」という継投がある。阪神であれば先発-安藤-福原-呉昇桓が基本パターン。彼らを毎試合、どんな展開でも投入するわけにはいかない。ただ、状況によって起用することも必要だという。
「あまりに失点が重なると攻撃にも影響する。守りの時間が長引けば、反撃するリズムにならない。そういうときは勝ちパターンの投手を使ってでもリズムを変えないといけない。そうしないと、この試合のように大敗につながってしまうことがある。5失点以内に抑えていれば、その後の展開は変わっていたかもしれない」
満塁弾を浴びた島本は今季12試合目の登板。「前日(8日)にも2イニングを投げている。経験の浅い投手ということを考慮すれば、使いすぎにも思える。連投は厳しかったかも」と見る。
90年代の阪神暗黒時代を知る藤田氏だからこそ、現状のチームを心配する。「このままでは昔の阪神に戻ってしまう。フロントも含めた改革が必要な時期に来ているのかもしれない」と警告していた。
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