内村逆転金へブラックサンダー熱視線
ロンドン五輪体操男子の内村航平選手(23)に、東京郊外の小さな菓子メーカーが熱い視線を送っている。北京五輪で内村選手の好物として一気に知名度が上がった1本30円のチョコレート駄菓子「ブラックサンダー」は、今や会社の看板商品。パッケージに描かれた稲妻と同じ、金色のメダルに社員全員の期待は高まる一方だ。
「好きなものしか食べない」と言い切り、野菜が嫌いで、大の偏食家として知られていた内村選手。夜はハンバーガーを食べ、おやつには好物のチョコレートをほおばる。ネットでは、「野菜嫌いの“チョコ王子”」ともささやかれている。
4年前の北京五輪では、アーモンドとクッキー生地を練り込んだチョコバーをかじる姿が話題になった。製造元の「有楽製菓」(東京都小平市)によると、“内村効果”でブラックサンダーの売り上げは倍増。今ではコンビニの人気商品に名を連ねる。
ことし6月20日、同社の担当者が、埼玉県草加市で練習中の内村選手に数百個のブラックサンダーが詰まった箱を持って訪ねた。最近は栄養指導を受けて「チョコ断ち」していると聞いていた担当者だが、「これでストレス発散して頑張って」と声をかけた。
内村選手は箱を受け取ると「最近は『白いブラックサンダー』を食べています」と、限定販売の新商品名を挙げてにっこり。同社は「金メダルを取ったらまた差し入れをしたい」と、ロンドンでの活躍を祈っている。