内村「2位も4位も同じ」団体“銀”

 「ロンドン五輪・体操男子団体総合・決勝」(30日、ノースグリニッジ・アリーナ)

 日本が異例の採点訂正の末、銀メダルを手にした。体操の男子団体総合が30日、行われ、一度は4位と結果が出た日本は最終種目のあん馬で内村航平(23)=コナミ=の得点に対する抗議が認められ、見直された採点で0・7点上がり、2大会連続の銀メダルを獲得した。中国が2大会連続の金。2位だった英国が100年ぶりの銅メダルとなった。

 表示された自身の得点とチームの順位に、内村が目を疑った。「4・JAPAN」。5種目終了時点の2位から、メダル圏外へ転がり落ちる順位に、電光掲示板から目をそらせないまま、内村の唇が動いた。「うそ…」‐。

 審議の対象となったのは最終種目、あん馬の降り技(終末技)だった。内村は倒立を維持できず、崩れながら着地した。森泉コーチによると、当初ジャッジは「終末技として、取ってくれていなかった」という。

 得点は技の難度を示すDスコア(演技価値点)と、演技の完成度を示すEスコア(実施点)で構成される。審判員は難易度を示すDスコアを6・1点としたが、得点の最終決定をするスーパーバイザーが5・4点と判定した。

 日本の約20分間の抗議を受けて、審判団がビデオなどで確認した。その結果、終末技として認定され、Dスコアは6・1点に修正された。3位に落ちた地元英国ファンの大ブーイングが飛び交う中、日本の2大会連続銀メダルが決まった。

 口癖のように繰り返してきた団体金の夢には届かなかった。内村にはさまざまな感情が入り交じっていた。「最初に4位と表示されたんで、何も言えなかった。今まで何をやってきたんだろうとか、考えていた。正直、2位でも4位でも変わらなかった。5人で表彰台に上れたことは幸せだと思うけど…」

 2種目目の跳馬で、3人目の山室がひざから着地。左足甲を痛め、競技続行が不可能となった。平行棒、鉄棒を田中兄弟、内村がまとめ、中国に追いすがったが、5種目目の床、最終種目のあん馬で田中和がミス。万事休した。

 中国には北京五輪、10、11年世界選手権に続いて4連敗。内村は「やっぱり強い」と完敗を認めるしかなかった。最大の目標だった団体金は夢と消えた。それでも、1日には世界選手権3連覇中の個人総合が控える。「切り替わってます」。体操ニッポンのエースとして、このままでは終われない。

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