体操団体、内村落下で予選1位に黄信号 「過信していた部分あった」
「リオ五輪・体操男子団体・予選」(6日・リオ五輪アリーナ)
第1班の予選が始まり、04年アテネ五輪以来の団体金メダルを狙う日本(内村、加藤、田中、山室、白井)は総得点で269・294点にとどまり、内村が「トップじゃないと金メダルの可能性が半分以上消える」と話していた、至上命題の予選1位通過に黄信号が灯った。演技を終えた内村は「練習で結構うまくいっていたので、過信していた部分もあったかと思います」と無念さをにじませた。
地元ブラジルへの大声援が会場を包み込む中、あん馬からスタートした日本はやや硬さの見える立ち上がりだった。第1演技者の加藤は持ち前の安定感をみせたが、続く田中が中盤で落下。内村もポメルに接触しそうになる場面があり、着地後は森泉コーチが「あぶね~」と、つぶやいた。
あん馬、つり輪と15点台が出ず、我慢の展開が続いたが、流れを変えたのが、跳馬での内村の大技だった。直前に山室が着地を乱し、尻もちをつく嫌な流れだったが、内村がリ・シャオペンをきっちり決め、15・533点のハイスコアをマーク。続く白井もシライ/キムヒフンをほぼ完ぺきに決め、15・466点とし、ブラジルを逆転。首位に立った。
しかし、流れは変わったかと思われたが、平行棒で田中と山室がミスを連発。鉄棒では頼みの内村が離れ技の屈伸コバチ落下し、再びブラジルに逆転を許した。
床で再逆転し、何とか1班1位を死守したが、3班に宿敵中国が控える中、大きな隙を見せる形となった。
内村は鉄棒の落下については「普段落下するところじゃない箇所での落下があったので、すごく悔しい思いです」と悔しさをあらわにした。主将として、チームを見ても「普段ミスがない部分で出てしまっていたので、練習は積んできていたものの、これがオリンピックという舞台なのかと思いました」と、ロンドン大会に続き、五輪が持つ独特の雰囲気に飲み込まれた。
「練習で結構うまくいっていた」と振り返り、「過信していた部分もあったかと思います」と反省した内村。鉄棒の落下により、金メダルを期待されていた種目別決勝進出を逃した。さらに、団体決勝の演技順に影響する1位通過も難しくなった。「自分たちはミスをしているので、上にいかれても仕方がないかなと思う。何の種目からになるか分からないですけど、気持ちを切り替えて、今日出たミスをしないように調整したい」と立て直しを誓った。