福原愛、またストレート勝ちで初の準決勝進出「いい試合ができている」
「リオ五輪・卓球女子シングルス・準々決勝」(9日、リオ中央体育館)
4度目の五輪出場となる福原愛(27)=ANA=が第2シードのフェン・ティアンウェイ(シンガポール)を4-0のストレートで下し、準決勝進出を決めた。五輪のベスト4進出は自身初。
愛が覚醒した。第1ゲーム、一進一退の攻防から14-12で奪いきると、一気に波に乗った。第2ゲームも終盤に突き放し11-8でもぎ取ると、その後のフェンの反撃も退け、第3ゲームは11-7、第4ゲームは11-5でストレート勝ち。「自分でも4-0で勝つとは思ってなかったので、驚いてます。こんな試合が3試合も続くのは、ロンドンからの4年でなかった」と、言葉に充実感がにじんだ。
試合後のインタビューでは「1カ月間練習してきたものが、しっかりと出せた試合だったんじゃないかと思います。ここはオリンピックですし、何が起こるか分からないというふうに最後まで思っていましたので、最後の1球まで気を抜くこともなかった。結果を残して支えて下さっている皆さんや、応援して下さっている方々に恩返ししたいなという気持ちがすごく強いので、頑張り抜くことができた」と振り返った。
これで初戦の3回戦、4回戦に続いて、3試合連続のストレート勝ち。相手に1ゲームも奪われることなく、4強に進んだ。それでも「特に点数は気にしていなくて、最後の1球、自分が勝つことができればと思って試合をしているので、相手に点数を取られても焦ることなく試合ができているのかなと思っています」と語った。
気迫溢れるバックハンドに、緩急自在のプレー。ここにきて全盛期を迎えたかのような圧巻の内容が続く。ロンドンの8強が最高だった過去3大会との違いを「事前の準備」と言い切る。「今までは限界が近づくにそろそろいいかなって思っていた。でも今回は限界を超えて練習した。終わっても体育館から動けなくなるぐらいまで。だから自信を持って臨めてます」。
準決勝は李暁霞(中国)と対戦する。初の個人メダルに向け「きのう、きょうとすごくいい試合が続いていて、自分の中でもいい試合ができているな、という自信がすごくある。あしたも、きのうときょうみたいにベストが尽くせるように頑張ります」と誓った。15歳で出場したアテネ五輪から12年-、“泣き虫”愛ちゃんの歩みがついに夢の個人メダルに手の届くところまできた。