競泳日本復活!800mリレー銅メダル 「8継!金」の絆が呼んだ52年ぶり表彰台
「リオ五輪・競泳男子800mリレー・決勝」(9日、五輪水泳競技場)
競泳男子800メートルリレー決勝で、萩野公介(21)=東洋大、江原騎士(23)=自衛隊、小堀勇気(22)=ミズノ、松田丈志(32)=セガサミー=の日本が、7分3秒50で銅メダルを獲得した。同種目で日本が表彰台に上るのは1964年東京五輪以来、52年ぶりの快挙で、かつてのお家芸の復活をアピールした。優勝は4連覇の米国。
ついに52年の呪縛を解き放った。日本はかつて1932年ロサンゼルス、36年ベルリン大会で連覇したこともあるお家芸の800メートルリレーで、64年東京五輪以来のメダルを獲得。長く低迷していた自由形に再興の光をともした萩野は「3人の力を借りてメダルを獲得できたので、感謝したいです」とメンバーと抱き合って喜んだ。
先陣を切った男子400メートル個人メドレー金メダリストが1位に0秒11差の2位でタッチ。2番手の江原、3番手の小堀が2位でアンカーの松田につないだ。精神的支柱でもある32歳のゴールに、若い3人が沸き立った。
4月の日本選手権で4人のメンバーが決まると、すぐにLINEのグループをつくった。800メートルリレーで金メダルの意味を込めた「8継!金」。10歳前後の年齢差を超えて、荒唐無稽ともとれる目標に本気で立ち向かった。
「昔は8の練習で10出せたのが、今は10出すためには12が必要になる」と松田は言う。肉体的な変化は自覚しているが、その経験はチームにとって何よりの財産だ。
6月の松田の誕生日にはメンバーで食事会を開き、松田が若いメンバーに話をした。「五輪に出られただけでうれしいかもしれないけど、メダルを獲るか獲らないかでマスコミの対応も違うし、その後の人生が変わる。そのくらいの覚悟がないとダメだ」。五輪初出場の江原は「正直浮かれてるところがあったけど背筋が伸びました」と明かす。
圧倒的な海外勢とのパワー差を埋めたのは、ベテランを中心に積み重ねた結束力。殊勲のメダルに「最後に100%満足できるレースだったとは言えないのが競泳なのかな」と言うのもまた、松田らしい。
4大会連続出場は、最後の五輪と位置づけている。競技後は「五輪最後のレースだと思う」と改めて話した。「他の3人は東京五輪も目指すと思うので、この経験を生かしてほしい」。北京で「自分色」と話した銅メダル。色は同じでも、若手と力を合わせた今回は、2020年東京の金メダルにつながる輝きを見せていた。