無名21歳・坂井「まさか」の銀 初出場でやった!怪物フェルプスと0秒04差

 拳を突き上げ喜ぶ坂井聖人
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 「リオ五輪・競泳男子200mバタフライ・決勝」(9日、五輪水泳競技場)

 男子200メートルバタフライ決勝で初出場の坂井聖人(21)=早大=が1分53秒40で銀メダルを獲得した。2大会ぶり3度目の優勝を果たしたマイケル・フェルプス(米国)とのタイム差はわずか0秒04だった。瀬戸大也(22)=JSS毛呂山=は1分54秒82で5位に終わった。男子200メートル平泳ぎは準決勝で2分7秒22の五輪新記録をマークした渡辺一平(19)=早大=が全体の1位で、小関也朱篤(24)=ミキハウス=は2分7秒91の4位で決勝に進んだ。

 五輪初出場の伏兵が、大きく羽ばたいた。自信を持つラスト50メートルで、坂井が驚異的なスパートを見せた。男子200メートルバタフライ決勝の7コースから猛然と追い上げ、1人、2人、次々とかわす。「怪物」フェルプスに迫ったところで、ゴール板をタッチ。大番狂わせはならなかったが、堂々の銀メダル。「まさか2番とは…」。世界的には名の売れていない新鋭は、右の拳を何度も何度も握りしめた。

 「めちゃめちゃ緊張していた」と言うが、自分のレースを貫いた。150メートルの通過は6番手。「周りはほとんど見えていなかった」と無心で水をかいた。ラスト50メートルはただ一人30秒を切る、29秒67。フェルプスより1秒01も速かった。「一緒に泳げるだけでもわくわくした」という憧れのスーパースターを脅かした。

 昨年の世界選手権で4位と健闘したが、銅メダルまでわずか0秒14だった。「あの悔しさがあったから頑張れた」。持ち味の持久力に加えて世界で戦えるスピードに磨きをかけ、得意の終盤勝負に持ち込める土台を築いた。

 本命と見られた早大の1学年先輩、瀬戸を差し置いて堂々の表彰台。4年後の活躍も十分期待できる若武者が、大仕事をやってのけた。東京五輪に向け「もちろん、金を狙っていきます」と笑顔で宣言した。

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