山県自己新10秒05 日本勢84年ぶり決勝ならずも

 「リオ五輪・陸上男子100m・準決勝」(14日、五輪スタジアム)

 同組のボルトへの歓声にのまれることはなかった。ロンドン五輪に続き、2度目の準決勝。山県亮太(24)=セイコーホールディングス=は大健闘の走りで10秒05の自己ベストをマーク。結果は5位で、日本人84年ぶりのファイナリストには届かなかったが、「結果的に自己ベストが出たのは誇りに思うし、4年前の五輪の記録(10秒07)も超えられた。素直にうれしく思う」と、納得したようにうなずいた。

 世界トップクラスのスタートがさく裂した。スタートの反応時間は何と0秒109。準決勝に出場した24人の中で最速の数字だった。課題としていた中盤でも、世界選手権銅メダリストのブロメル(米国)らと競り合えた。「世界との距離は縮まってる」と、大きな収穫を得た。

 けがに苦しんだ4年間。それでも紆余(うよ)曲折を経て、たどり着いた2度目の夢舞台で、抜群の勝負強さを見せつけた。「この経験を生かして、4年後はもっといいレースをしたい」。タレントがそろいつつある日本短距離陣の中で、一歩抜けた存在感を示した。

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