川井、東京五輪へ「馨さんに勝つ」 58キロ級で伊調と激突へ
「リオ五輪・レスリング女子フリースタイル63キロ級・決勝」(18日、カリオカアリーナ)
63キロ級決勝で初出場の川井梨紗子(21)=至学館大=はママシュク(ベラルーシ)に6-0で判定勝ちし、金メダルを獲得した。川井は本来の58キロ級から階級を移して15年世界選手権で準優勝し、代表切符を獲得。20年東京五輪で活躍が期待されるホープが大輪の花を咲かせた。75キロ級の渡利璃穏(24)=アイシンAW=は初戦の2回戦で敗退した。日本勢は女子の6階級中4階級で優勝し、メダル5個を獲得した。
憧れの存在を超える。川井は本来、女子史上初の五輪4連覇を成し遂げた伊調と同じ58キロ級だったが、伊調の壁はあまりにも高かった。「(伊調)馨さんに勝つからこそ、五輪に出る意味がある」。強いこだわりもあったが、栄チームリーダーらの勧めもあり、五輪出場を優先させて63キロ級に変更。昨年の世界選手権で準優勝して、五輪切符をつかんだ。
「今でも馨さんから逃げたと見られる。そうじゃないのにと悔しい気持ちがある」。葛藤を乗り越えた先の金メダルに「(栄)監督様々です」といたずらっぽく笑った。
世界の頂点に立ったことで目標は「打倒伊調」へと絞られた。4年後の東京五輪に向けて「もう63(キロ級)はこれで終わり。58(キロ級)に戻す。次は馨さんに勝って金メダルが欲しい」と宣言した。